仕事の疲れを栄養ドリンクで乗り切る方も少なくないですが「毎日飲むと肝臓や体に悪い」とも言われており、飲みすぎるとどうなるのかが不安な方も居るようです。
結論から言うと、栄養ドリンクの飲み過ぎはカフェイン中毒やビタミンの過剰摂取等の体に悪い影響を引き起こしかねないので、適切な飲み方を心がける必要があります。
本記事では栄養ドリンクを毎日飲むと肝臓・体に悪い理由や、飲み過ぎによる具体的な症状を解説するので、体に悪い理由が気になる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
栄養ドリンクは毎日飲むと危険?体に悪い3つの理由
栄養ドリンクには体に良い成分が含まれているイメージがありますが、毎日飲むと本当に危険なのか、噂の真偽が気になるところです。
栄養ドリンクを毎日飲むと「成分の摂取量が増える」「栄養ドリンクの依存症になる」などの体に悪い影響が出る可能性があるため、危険性についてはしっかりと把握しておいた方が良いでしょう。
まずは栄養ドリンクを毎日飲むと体に悪い3つの理由を解説するので、すでに飲んでいる方もこれから飲むつもりの方もぜひ参考にしてみてください。
栄養ドリンクは無意識のうちに有効成分の摂取量が増えやすい
栄養ドリンクにはカフェインや糖分が含まれていますが、これらの成分は毎日飲むことで摂取量が増えていき、耐性が付いてきて効果を感じにくくなっていきます。
そのため「効きにくいからもう一本飲もう」といったように、無意識に栄養ドリンクを飲む本数が増えていく方も少なくありません。
カフェイン・糖分・有効成分の過剰摂取によって心身の不快感や痛み、肝臓の病気を発症する可能性も考えられるため「毎日飲むとどのようなリスクがあるのか」について把握することが大切です。
一時的にパフォーマンスが向上するため「栄養ドリンク依存症」になる可能性がある
栄養ドリンクを飲むと、カフェインや糖分で目が覚めて気分が良くなったり一時的に疲労感が緩和されるため、仕事や作業のパフォーマンスが向上することを感じられるでしょう。
本来は生活習慣を整えることで発揮できるはずのパフォーマンスを「栄養ドリンクのおかげ」と感じるようになると、無意識に「栄養ドリンクがないと仕事ができない」と感じて依存症になる可能性があります。
栄養ドリンク依存症については記事の後半で詳しく解説しますが、依存症にならない・抜け出すためには「適切な量を飲む心掛けや生活習慣の見直し」が必要です。
カフェインの過剰摂取が原因のカフェイン中毒による死亡事例も発表されている
栄養ドリンクにはカフェインが含まれているものもありますが、カフェインの大量摂取が原因で死亡した事例は国内外で確認されているため、飲み過ぎ・摂り過ぎには注意してください。
仕事の疲れや一夜漬けの勉強のために大量にエナジードリンクやカフェイン錠剤を飲んだ場合などは、重度の急性カフェイン中毒を引き起こす可能性もあります。
栄養ドリンクが直接的な原因で死亡するケースは今のところ確認できていませんが、カフェインを含む飲料などを短時間で大量摂取すると大きく体調を崩す可能性もあるので気をつけましょう。
栄養ドリンクの飲み過ぎによって起こる症状や体に悪い影響とは?

栄養ドリンクには様々な成分が入っており、毎日飲むとカフェイン中毒による心身の諸症状や、糖尿病・肝臓の病気などを発症するリスクがあります。
毎日栄養ドリンクの飲んでいる人の中には危険性がイメージできないという方も少なくないので、健康を維持するためにも本人や周囲の人が飲み過ぎのリスクを知っておくことが大切です。
続いては栄養ドリンクの飲み過ぎによって起こりうる、肝臓病などの症状や体に悪い影響を5つのケースに分けて紹介していくので、心当たりのある方はぜひ参考にしてみてください。
栄養ドリンクの飲み過ぎによる症状・体に悪い影響①:カフェイン中毒
栄養ドリンクの飲み過ぎで起こりうる症状・体に悪い影響1つ目は、カフェイン中毒です。
カフェイン耐性は体質によって異なりますが、短時間で栄養ドリンクを大量に飲みすぎた場合などには様々な中毒症状を起こす可能性があります。
一般的に成人のカフェイン摂取目安量は約400mgと言われているので、栄養ドリンクやコーヒーを含めたカフェイン量が400mgを超過しないように注意してください。
カフェイン中毒によって起こる症状・体に悪い影響
軽度 | 重度 | |
---|---|---|
身体的な症状 | ・胃や胸の痛み ・心拍数や呼吸の増加 ・吐き気や不快感 など |
・痙攣 ・頭痛 ・過呼吸 など |
精神的な症状 | ・知覚過敏 ・多弁になる ・焦りや不安を感じる ・緊張する |
・幻覚が見える ・パニック発作や精神錯乱 ・衝動的になる など |
栄養ドリンクの飲み過ぎによる症状・体に悪い影響②:胃の不快感
栄養ドリンクの飲み過ぎで起こりうる症状・体に悪い影響2つ目は、胃の不快感です。
栄養ドリンクに含まれるカフェインには胃を刺激する作用があるため、空腹時などに摂取すると不快感や吐き気を催す可能性があります。
また、栄養ドリンクに含まれる微量のアルコールが胃の入り口付近を弛緩させて胃液が逆流しやすくなることもあるので、空腹時に飲むことは避けたほうが良いでしょう。
栄養ドリンクの飲み過ぎによる症状・体に悪い影響③:ビタミン過剰摂取による症状
栄養ドリンクの飲み過ぎで起こりうる症状・体に悪い影響3つ目は、ビタミン過剰摂取による症状です。
ビタミンは健康や美容のために欠かせない成分ですが、食べ合わせやサプリとの飲み合わせによっては過剰摂取となり、逆に腹痛や吐き気といった影響が出ることもあります。
薬やサプリメントでビタミンを補給している方は、栄養ドリンクの成分によって過剰摂取にならないよう配分に気をつけましょう。心配な場合は医師・薬剤師に相談するのもおすすめです。
ビタミンの過剰摂取による体に悪い影響
ビタミンの種類 | 過剰摂取の影響 |
---|---|
ビタミンE | 基本的に影響はないが、稀に吐き気・下痢・頭痛などの症状が起こる |
ビタミンA | 頭痛・めまい・吐き気など |
ビタミンD | 腹痛・食欲不振・嘔吐など |
栄養ドリンクの飲み過ぎによる症状・体に悪い影響④:糖尿病
栄養ドリンクの飲み過ぎで起こりうる症状・体に悪い影響4つ目は、糖尿病です。
栄養ドリンクには多めの糖質が含まれており、飲み過ぎることで糖質の摂取量が増えると血糖値が上がりすぎて糖尿病を発症するおそれがあります。
糖尿病は動脈硬化による脳や心臓病のきっかけにもなりますが、自覚しにくいため「気づいた頃には深く進行していた」という可能性もゼロではありません。
栄養ドリンクの飲み過ぎによる症状・体に悪い影響⑤:肝臓の病気
栄養ドリンクの飲み過ぎで起こりうる症状・体に悪い影響5つ目は、肝臓の病気です。
海外で栄養ドリンクを大量摂取した50代の男性が肝臓病を発症した事例があり、原因は過剰なナイアシン(ビタミンB3)の摂取・蓄積とされています。
肝臓に異常が現れるといつも以上に疲れやすくなったり黄疸が出たりといった症状が現れるので、飲み過ぎには十分に注意してください。
「栄養ドリンク依存症」について効果を感じる理由・依存症になるまでの流れ

栄養ドリンクを飲むと一時的に体調が回復してパフォーマンスが上がるため「栄養ドリンクなしでは仕事ができない」といった形で依存症に陥る場合があることをご存知でしょうか。
依存症になって栄養ドリンク毎日飲むようになると、効き目を感じづらくなって1日の服用本数が増える傾向もあり、逆に体に負担を与え続けているといったケースも珍しくありません。
ここからは栄養ドリンクの効果を感じるメカニズムや、栄養ドリンク依存症になってしまう流れを解説していくので、心当たりのある方や身近にそのような方が居る方はぜひ参考にしてみてください。
栄養ドリンクはカフェイン・糖分の作用によって効き目を実感できる
知らない人が知人にいたので共有
— ホイホイ@ADHD (@ADHDhoihoi) July 12, 2020
カフェインの覚醒効果は凄くて睡眠医学分野でも有名です。
そして、覚醒が低い不注意型のADHDには良く効く印象です。(やる気、集中力、不注意とかに)
コーヒー、紅茶、緑茶、栄養ドリンクなどありますので是非。
栄養ドリンクを飲んで感じられる体が軽くなったり気分が安定するといった効果は、主にカフェインと糖分の作用によるものです。
カフェインには神経を興奮させて集中力を高める作用があるため、一時的に気分がシャキっと上向いたような感覚になります。
また糖分によって血糖値が上がることで、起床した直後のボーっとした状態から回復して目が覚める方も居るでしょう。
どちらも一時的に体の状態を向上させますが、効果が1日中持続するわけではないので、根本的な疲労が抜けてない方は後で疲労感を感じることになります。
効果が切れた後に疲労感が押し寄せるためさらに栄養ドリンクに依存していく
疲れが出てきた。栄養ドリンクもう一本のみたい気分。飲まないけど。
— imuran🐨 (@kiinaluu) October 20, 2021
ほんとこのだるさなくなったらすごいなー
夜ご飯作るかなー
栄養ドリンクにカフェインが含まれているのは「鎮痛作用」を狙ったものであり、飲むことによって得られる効果は一時的に疲労感や体の痛みを感じない「興奮状態」と言い換えられるでしょう。
しかし、これはあくまで一時的な効果であり、栄養ドリンクの効果が抜けた後に一気に疲労感が押し寄せてくるため「疲れたからもう一本飲もう」という思考になりがちです。
一時的にパフォーマンスが向上するため「栄養ドリンクなしでは仕事が捗らない」という気持ちに繋がりやすく、そのことから依存症に繋がるおそれもあります。
毎日飲むと慢性的な依存に繋がるため「本当に必要な時に適量を飲む」のがおすすめ
栄養ドリンクは日々の習慣に取り入れるものではなく、あくまでも「非常食」のような立ち位置であると考えて、本当に必要な時に適量を飲むことが大切です。
根本的な疲労感を回復させるには、体に必要な栄養素を食事から補給したり十分な質と量の睡眠時間を確保しなければなりません。
しかし、どうしても仕事が忙しい時期は食事や睡眠の質が落ちてしまうこともあるでしょう。そういった非常事態を乗り越える時など「ここぞという時に適量を飲む」ことを心がけてください。
栄養ドリンクを飲んではいけない人はいる?注意点を解説

栄養ドリンクを毎日飲むと依存症や不快感といった体に悪い症状が起こることを解説しましたが、そもそも飲んではいけない人も居るのかどうかが気になるところです。
結論から言うと、栄養ドリンクのカフェインなどの有効成分は病気で専門的な治療を受けている方や妊娠中・授乳中の方には悪影響を及ぼす可能性があります。
ここからは栄養ドリンクを飲んではいけない人・避けるべき人について、特徴や飲む際の注意点などを解説していくので、これから飲んでみようと考えている方は必ず確認しておきましょう!
栄養ドリンクを飲んではいけない人①:腎臓病で透析治療中の人や高カリウム血症の人
栄養ドリンクを飲んではいけない・避けるべき人としては、まず腎臓病で透析治療中の人や高カリウム血症の人が挙げられます。
栄養ドリンクには糖分やカリウム・リン・カルシウムが多く含まれているので、血糖値が上がり過ぎたり栄養素の摂り過ぎに繋がるおそれがあります。
薬との飲み合わせによっては体に悪い影響が出ることも考えられるので、栄養ドリンクを飲む際は必ず担当医に相談しておきましょう。
栄養ドリンクを飲んではいけない人②:ダイエット中の人・糖尿病の人
ダイエット中の人や糖尿病の人も、栄養ドリンクを飲んではいけない・避けるべき人と言えるでしょう。
栄養ドリンクにはブドウ糖果糖液糖や砂糖が含まれているので、1本飲むだけでもかなりの量の糖質を体内に取り入れることになってしまいます。
糖尿病の方が血糖値を急激に上げることは危険ですし、ダイエット中の方は普段の食事制限などの努力が実を結ばないことも考えられるので注意してください。
栄養ドリンクを飲んではいけない人③:子供やカフェインに敏感な人
子供やカフェインに敏感な人も、栄養ドリンクを飲んではいけない・避けるべき人と言えるでしょう。
栄養ドリンクにはカフェインが含まれている商品が多く、耐性が低い方が飲むと身体や精神面で不快な症状が引き起こされて逆効果になるケースもあります。
また、子供が大人用の栄養ドリンクを飲むと成分の過剰摂取に繋がるおそれがあるため、もしもの時には子供用の栄養ドリンクも検討してみてください。
妊婦さん・授乳中の方はカフェインを含む栄養ドリンクに要注意
妊娠中にカフェインを摂り過ぎると低体重出産や流産といったリスクがあるため、妊婦さんは栄養ドリンクに含まれるカフェイン量に注意してください。
また、授乳中のお母さんがカフェインを摂ると母乳に微量のカフェインが含まれるため、カフェイン耐性の無い赤ちゃんが興奮したり泣き止まなくなったりする可能性もあります。
どちらにしてもカフェインを摂り過ぎるのは赤ちゃんの発達や健康に悪影響を及ぼす可能性があるので、コーヒーと栄養ドリンクの飲み過ぎには注意しましょう。
栄養ドリンクに関する3つの質問に回答!

ここまで栄養ドリンクを毎日飲むと体に悪い理由や具体的に起こりうる症状などを解説してきました。
しかし記事を読み進めていく中で「エナジードリンクとは何が違うの?」「種類の違う栄養ドリンクや薬との飲み合わせは?」といった疑問が浮かんだ方も少なくないでしょう。
最後に栄養ドリンクに関するよくある3つの質問に回答していくので、体への影響についてより深く知りたい方もぜひチェックしてみてください。
栄養ドリンクに関する質問①:エナジードリンクとの違いは何?
栄養ドリンクとエナジードリンクは「分類」に違いがあります。
エナジードリンクは「清涼飲料水」であるのに対して、栄養ドリンクは「医薬品・医薬部外品」と表記されており、パッケージや瓶に具体的な効果や効能が表記されているのは栄養ドリンクとなります。
エナジードリンクは主にカフェインによる興奮・集中力の向上、栄養ドリンクは疲労回復といったように期待できる効果が違うので、体調に合わせて選ぶ必要があるでしょう。
栄養ドリンクに関する質問②:栄養ドリンクと薬の飲み合わせは問題ない?
栄養ドリンクは薬との飲み合わせには注意する必要があります。例えば風邪薬にはカフェインが含まれているタイプもあるため、栄養ドリンクとの併用で頭痛や吐き気を感じるケースもあるでしょう。
栄養ドリンクに微量のアルコールが含まれている場合は糖尿病の薬の効果が強まり過ぎて、血糖値のコントロールが正常に行えなくなるといったケースもあるので注意が必要です。
また生薬との飲み合わせでは、有効成分の過剰摂取により予期せぬ体調不良が起こる可能性もあるため、栄養ドリンクを併用する前に必ず担当医や薬剤師へ確認してください。
栄養ドリンクに関する質問③:種類が違う栄養ドリンクを続けて飲んでもいい?
疲れが酷い時などには栄養ドリンクを何本か飲みたくなる時もありますが、基本的に種類が違う栄養ドリンクを続けて飲むことは避けた方が良いでしょう。
栄養ドリンクに含まれている有効成分やカフェインの過剰摂取になる恐れがあるため、回復するどころか逆に不快感や倦怠感が増してしまうといった可能性があります。
栄養ドリンクは1日1本に抑えて、バランスの良い食事をする・仮眠を取る・睡眠時間を増やすなど、生活習慣の改善から検討してみてください。
栄養ドリンクを毎日飲むと依存症になる?依存までの流れや危険性・体に悪い症状まとめ
この記事では栄養ドリンクを毎日飲むと肝臓や体に悪い・依存症になるといった噂の真偽や、栄養ドリンクを飲んではいけない人の特徴を詳しく解説しました。
栄養ドリンクを毎日飲むと肝臓病・カフェイン中毒・依存症など体に悪い症状を引き起こす可能性があるため、飲み過ぎにはくれぐれも注意が必要です。
疲労感が抜けない方は食事バランスや睡眠時間など生活習慣を見直しつつ、栄養ドリンクは本当に必要な時に適量を飲むことで上手く活用していきましょう!