「最近見かけなくなった」と感じるコンビニチェーン店はありませんか?
ファミリーマートやローソンといった大手コンビニチェーンによる買収・合併により、今と昔ではコンビニチェーン店の数や種類が大きく変わりました。
本記事では、買収・合併で無くなったコンビニチェーン店の一覧や歴史を徹底解説していきます!
また、コンビニチェーン店によっては独自の経営戦略を貫いて買収・合併せずに急成長を遂げたコンビニもあり、それぞれの個性や経営方針が垣間見えるので是非チェックしてみて下さい。
目次
今と昔ではコンビニの数が違う!コンビニの買収・合併の歴史を解説
アメリカが発祥とされているコンビニが日本に登場したのは1970年代初め頃で、多くの経営者が目新しいコンビニ事業に食いつき大量のコンビニチェーンが乱立しました。
しかし次第に強豪のコンビニチェーン店に買収・合併されるなどして、多くのローカルコンビニチェーン店は姿を消し始めます。
現在の大手コンビニチェーンの多くは、コンビニが乱立していた時代を生き抜いて事業を拡大した歴史があると言えるでしょう。
1990年代初めから始まったコンビニチェーンの買収・合併について年表で解説!
それぞれのコンビニチェーンの勢力や発展度に差が出始めると、経営状況が思わしくないコンビニチェーン店は業績好調な競合に買収・合併され始めました。
年表に買収・合併されたコンビニチェーン店をまとめてみると、ローカルチェーン店のほとんどが現在の大手コンビニチェーン店に買収・合併されたことが分かります。
買収・合併年表 | コンビニ名 | 買収・合併先 |
---|---|---|
1994年 | ブルマート | ファミリーマート |
1996年 | サンチェーン | ローソン |
1999年 | 生活列車 | ファミリーマート |
2001年 | エブリワン | ファミリーマート |
2007年 | ホットスパー | ファミリーマート |
2008年 | 新鮮組 ・ ジャストスポット |
ローソン |
2008年 | SHOP99 | ローソン |
2010年 | am/pm | ファミリーマート |
2015年 | ココストア | ファミリーマート |
2017年 | セーブオン | ローソン |
2018年 | サークルKサンクス | ファミリーマート |
2018年 | スリーエフ | ローソン |
買収 合併年表 |
コンビニ名 | 買収・合併先 |
---|---|---|
1994年 | ブルマート | ファミリーマート |
1996年 | サンチェーン | ローソン |
1999年 | 生活列車 | ファミリーマート |
2001年 | エブリワン | ファミリーマート |
2007年 | ホットスパー | ファミリーマート |
2008年 | 新鮮組 ・ ジャストスポット |
ローソン |
2008年 | SHOP99 | ローソン |
2010年 | am/pm | ファミリーマート |
2015年 | ココストア | ファミリーマート |
2017年 | セーブオン | ローソン |
2018年 | サークルKサンクス | ファミリーマート |
2018年 | スリーエフ | ローソン |
年表にしてみるとローソンやファミリーマートは、最近まで他のコンビニチェーン店を買収・合併しながら企業として成長してきたと言えます。
大手コンビニチェーン店と買収・合併を繰り返してローカルコンビニチェーン店は激減
大手コンビニチェーン店へ多くのローカルコンビニチェーンが買収・合併されていき、ローカルコンビニチェーン店の数は激減しました。
一部ではローカルコンビニチェーン店同士で買収・合併を行い大手コンビニチェーン店に対抗しようという動きもあったようですが、最終的には買収・合併されてしまったケースがほとんどのようです。
しかし地域によっては、ローカルコンビニチェーン店の看板ままの個人営業店があるので、探して見ると面白いかもしれませんよ。
大手コンビニチェーンの拡大によりローカルコンビニチェーン店がほとんどが閉店・倒産した
大手コンビニチェーンは買収・合併を繰り返して勢力を拡大してきたので、なんとか生き残っていたローカルコンビニチェーン店でも次第に太刀打ちできない状況になってきました。
ローカルコンビニチェーン店は経営難に陥る前に、大手コンビニチェーン店へ事業の売却を打診して破産を回避しようとしたため、当時コンビニの買収・合併が盛んに行われたと考えられます。
しかしほとんどのローカルコンビニチェーンは買収・合併の打診を受けてもらえず、経営難に陥り閉店・倒産を余儀なくされたようです。
ファミマに買収されたコンビニ7選を一覧でご紹介!
先ほどの年表でご紹介した通り、ローカルコンビニチェーン店を買収・合併しながら成長した大手コンビニチェーン店の1つがファミリーマートです。
ここからは、ファミリーマートが買収して無くなったローカルコンビニチェーン店7選を買収・合併年代順にご紹介していきます!
また、ファミリーマートは買収・合併したコンビニの人気商品をファミマブランドとしてリセールしていることもあるので、是非店舗をチェックしてみて下さいね。
- ブルマート
- 生活列車
- エブリワン
- ホットスパー
- am/pm
- ココストア
- サークルKサンクス
ファミマに買収されたコンビニ①:ブルマート【1994年】
ブルマートは元々宅配牛乳で有名な雪印乳業が、宅配牛乳の需要低下を受けて開店させたローカルコンビニチェーン店です。
雪印乳業が運営していただけあって店内の乳製品の品揃えが豊富だったようで「たくさんの牛乳が売っていた」という印象がある方が多いようですよ。
ブルマートはam/pmに買収・合併された後、そのam/pmをファミマが買収・合併したので2回名前が変わったことから、印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
ファミマに買収されたコンビニ②:生活列車【1999年】
生活列車はJR九州の子会社にあたるJR九州リテールが経営していたローカルコンビニチェーン店で、JR九州の各駅構内や駅の周辺に出店していました。
出張や旅行で九州地方のJRを利用したことがある方は、目にした方もいたでしょう。
また、主に通勤や通学で利用していた方にとって生活列車は「よく寄り道したコンビニ」として、今もSNS上で懐かしむ声が上がるローカルコンビニチェーン店です。
ファミマに買収されたコンビニ③:エブリワン【2001年】
エブリワンは大手にはできない地域密着型のローカルコンビニチェーン店として、九州地方の方に愛されていました。
地域密着に力を入れていたため熊本県の農業高校が開発した米粉パンを店舗で販売したり、店内で作ったパンや弁当、総菜、ワインの量り売りをしたりと地域住民への細かいフルサービスを徹底して生き残っていたようです。
地域で相当愛されていたローカルコンビニチェーン店だったため、ココストアに買収・合併したあとも看板はエブリワンのままで営業継続し、ココストアがファミリーマートに買収・合併した時に完全閉店しました。
ファミマに買収されたコンビニ④:ホットスパー【2007年】
ホットスパーは茨城県をはじめ、北関東で勢いのあったローカルコンビニチェーン店で一時期は茨城県最多店舗数を出店していたほどです。
店内に厨房があったホットスパーは出来立ての弁当や総菜を売りとして地域の中で愛されていたため、北関東にお住まいの方には思い出深いローカルコンビニチェーン店ではないでしょうか。
2001年から2002年には時代劇「水戸黄門」とコラボした「世直し幕の内弁当」を販売したり、当時のローカルコンビニチェーン店としては前衛的な経営を行なっていましたが、首都圏での出店数と売り上げが伸び悩み衰退しました。
ファミマに買収されたコンビニ⑤:am/pm【2010年】
am/pmはアメリカを中心に展開された世界的なコンビニブランドで、日本でコンビニ事業が始まった当初はブルマート・生活列車などのローカルコンビニチェーン店を買収・合併していくほどの急成長ぶりでした。
また、添加物やうま味調味料を使用しないで作られた冷凍弁当の美味しさも評判で、注文に受けてから温めて提供する「とれたてキッチン」をお昼時に利用したサラリーマンの方は多いのではないでしょうか。
さらにam/pmは、現在では一般的な電子マネー(Edy)での支払いを最初に始めたローカルコンビニチェーン店として有名なため、利便性と商品の美味しさから人気が高かったと言えます。
電子マネーの導入や添加物不使用の弁当の販売など前衛的過ぎた取り組みに時代が追いつかず、売り上げ不振となりファミマに買収・合併されることとなりましたが、現代であれば大手コンビニチェーン店として名を馳せていたかもしれません。
ローカルコンビニチェーン店am/pmはローソンに買収・合併される予定だった!
首都圏でのサラリーマン人気と前衛的な経営方法のローカルコンビニチェーン店am/pmは、首都圏進出の足掛かりとしたいローソンと買収・合併の話が持ち上がりました。
しかし買収・合併を発表した後にローソンとam/pmは商標権について対立してしまい、7ヶ月間交渉を続けましたが買収・合併が白紙に戻りローソンは首都圏への勢力拡大チャンスを逃したのです。
そしてローソンとの買収・合併話が白紙撤回された翌年にファミマに買収・合併されたため、ローソンにとっては事業拡大のチャンスを横取りされたに等しく、相当な痛手と悔しさがあったと考えられます。
ファミマに買収されたコンビニ⑥:ココストア【2015年】
ココストアは九州地区において、当時のセブンイレブン・ファミリーマート・ローソンを上回る店舗数を展開していたローカルコンビニチェーン店です。
また、茨城県で最大出店数を誇るホットスパーや地元密着型コンビニのエブリワンを買収・合併して勢力拡大を狙いましたが、大手コンビニチェーン店の勢いやマーケティング力には及ばず徐々に経営不振へと陥っていきました。
一時期はミニストップと業務提携することで景気回復に尽力しましたが、最終的にはミニストップとの業務提携を解消してファミマに買収・合併されることを選んだようですね。
ファミマに買収されたコンビニ⑦:サークルKサンクス【2018年】
サークルKサンクスは大手コンビニチェーン店に対抗するため、サークルKとサンクスという2つのコンビニチェーン店が合併して誕生したコンビニでした。
コンビニ業界の先駆けとして焼き鳥やコンビニスイーツに注力して店舗数はコンビニ業界第4位にまで上り詰めましたが、さらにその上に行くための打開策が見出せずに力尽きたようです。
そしてファミマに買収・合併される形で、コンビニ業界上位にのし上がる方法を取ったと考えられます。
ファミリーマートは買収・合併したコンビニの人気商品を期間限定で販売!
ファミマは2021年8月31日~9月20日の間に、自社が買収・合併したローカルコンビニチェーン店の人気商品を「懐かしの看板商品復活祭」として、旧コンビニチェーン店のロゴ入りで期間限定で販売しました。
これまでもファミマは買収・合併したローカルコンビニチェーン店の商品を自社ブランドとしてリセールしていましたが、旧コンビニチェーン店のロゴ入りで販売するのは初めてです。
旧コンビニチェーン店が営業していた当時の客にあたる30代~50代のユーザーの間で「懐かしい!」と話題になり、ファミマの粋な計らいを称賛する声が多くあったようですよ。
ローソンが買収したコンビニ5選を一覧でご紹介!
ローソンもファミマと同じく、ローカルコンビニチェーン店の買収・合併によって事業を拡大させてきた大手コンビニチェーン店です。
ここからは、ローソンが買収したコンビニ5選を買収・合併した年代順にご紹介しています!
また、現在もローカルコンビニチェーン店の買収・合併を継続しており、次の買収・合併相手についての噂が絶えないため業界内から注目が集まっています。
- サンチェーン
- 新鮮組・ジャストスポット
- SHOP99
- セーブオン
- スリーエフ
ローソンが買収したコンビニ①:サンチェーン【1996年】
サンチェーンは他のローカルコンビニチェーン店と違って、競合相手と対立せずに対等合併をした珍しいローカルコンビニチェーン店です。
創業して4年後の1980年には今のイオングループの傘下に入りつつ、ローソンと業務提携を行い商品の共同開発を行なっていくなどの交流を深めていく戦略で、他のコンビニチェーン店に買収されることなく生き残っていったと言えます。
この競合の大手コンビニチェーン店に敵対せずに交流を続ける戦略が功を奏し、1989年に大手コンビニチェーンのローソンを相手に対等合併をしただけでなく、後にサンチェーンの創業者の鈴木貞夫代表取締役はローソンの役員にまでなりました。
ローソンが買収したコンビニ②:新鮮組・ジャストスポット【2008年】
新鮮組・ジャストスポットは首都圏に多く出店し、粗利益の高い弁当類を中心に業績を上げたローカルコンビニチェーン店です。
人気商品の「スパムおにぎり」や25種類ほどの弁当のラインナップを取り揃え、注文を受けてから店内調理をして出来立て弁当を提供する方法で奮闘しましたが、商品のPRやシステム面で行き詰まり徐々に勢いを失っていきました。
当時首都圏での勢力拡大を狙っていたローソンは買収・合併することで首都圏出店へのきっかけをつかんだと言えます。
ローソンが買収したコンビニ③:SHOP99【2008年】
なんでも99円(税込104円)が売りだったローカルコンビニチェーン店のSHOP99は、コンビニの特性である便利さと100円ショップ以上の安さを兼ね備えていました。
しかし中国産の食品による健康被害が世間で話題になり、コスト削減のために中国産などの海外の原材料を使用していたSHOP99は風評被害で売り上げが低迷して徐々に経営難に陥ったと考えられます。
この経営難を打破するためにSHOP99はローソンと業務提携しましたが、自社ブランドより高い価格設定のローソン100の方が売り上げが良かったため、ブランド力の違いを痛感しSHOP99は買収・合併されることを受け入れたようです。
ほとんどすべての商品が110円(税込)のローソン100
SHOP99ほどの安さではありませんでしたが、当時ローソンもほとんどの商品が100円(税込105円)のローソン100というブランドを展開し始めました。
ローソンという大手コンビニチェーン店のブランドと安い均一価格で人気になり、これまで安さで勝負していたローカルコンビニチェーン店の多くは対抗できなくなったと言えます。
SHOP99は買収・合併後ローソンストア100として再出発し、現在も事業展開を続けているようです。
ローソンが買収したコンビニ④:セーブオン【2017年】
群馬県民が愛したローカルコンビニチェーン店のセーブオンも、経営難によりローソンに買収・合併されました。
セーブオンはコンビニとしては珍しくたい焼きや大判焼などの和風のホットスナックを取り扱い、39円のアイスや102円のパンなど駄菓子屋やスーパーのような価格設定で人気を博していたようです。
しかしATMや電子マネーなどのシステム整備が資金面で難しかったセーブオンは、客のニーズにハード面で応えられなかったため売り上げを落として経営難になったと考えられます。
セーブオン完全閉店日の2018年8月31日には別れを惜しむために群馬に帰省した人がいたほどなので、セーブオンは地域に愛されていたローカルコンビニチェーン店でした。
ローソンが買収したコンビニ⑤:スリーエフ【2018年】
スリーエフはチルド弁当の販売提供を他のコンビニチェーン店より、いち早く開始したローカルコンビニチェーン店です。
地元の野菜や食材を使用した鮮度が良く質の高い食品の提供に徹し、キューピーと提携して無農薬の野菜類などを仕入れることでクリーンな原材料を使っていることもアピールしていました。
しかし当時の世論の風潮には響かず業績が伸びずにローソンと業務提携をすることで生き残る方法を取りましたが、最終的には買収・合併されてスリーエフ単体のコンビニはなくなり「ローソン+スリーエフ」として関東で展開されています。
セブンイレブンは他のコンビニの買収・合併を行わずに成長した
ファミリーマートやローソンは、他のコンビニチェーン店を買収・合併することで事業拡大をしてきましたが、セブンイレブンは買収・合併をせずに大手コンビニチェーン店として展開しています。
店舗数の確保を重点的に行ったローソンやファミリーマートとは違い、セブンイレブンは自社の商品流通コストに重きを置いて事業展開を行ったようです。
ここでは、なぜセブンイレブンが買収・合併を行わずに大手コンビニチェーン店として展開ができているのか解説していきます!
セブンイレブンはドミナント戦略で店舗拡大と流通コストの削減をした
セブンイレブンのマーケティング戦略として有名なのが、店舗を一定の地域に集中的に出店してそのエリアの流通コストの削減と優勢を獲得する「ドミナント戦略」です。
そのため、店舗の隣や向かいにも別の店舗が営業しているという現象が発生しやすく、SNS上でも度々話題になっています。
店舗を集中的に出店させることで1台の配送トラックで何店舗にも商品が配送できるため、セブンイレブンは配送トラックの台数を減らして流通にかかるコストを減らしつつ、他のコンビニチェーン店が出店する隙を徹底的に潰していると言えますね。
セブンイレブンジャパンは本社を子会社化できるほどに急成長
セブンイレブンは元々はアメリカのサウスランド社が本社で、日本のイトーヨーカ堂と提携してセブンイレブン・ジャパンの名称で国内の事業展開が行われていました。
日本で着実に売り上げを伸ばすセブンイレブン・ジャパンとは正反対に、サウスランド社はアメリカで経営破綻寸前まで売り上げが落ち込んだため、セブンイレブン・ジャパンがサウスランド社を買収・合併する形で再建を図ったようです。
その後、順調に売り上げが伸び続けるセブンイレブン・ジャパンは親会社であるイトーヨーカ堂を子会社とするセブンアンドアイホールディングスを2005年に設立しました。
セブンイレブンはライブドアの日本放送買収事件を受けて新会社を設立
2004年に親会社より子会社の企業価値が高い状態にあるニッポン放送を買収することで、ライブドアが子会社のフジテレビを乗っ取ろうとする事件が起きました。
セブンイレブンもちょうど親会社のイトーヨーカ堂より企業価値が高い状態だったので、他の会社に親会社を買収される可能性があったと言えるでしょう。
他の大手コンビニチェーン店や企業に買収されないようにセブンイレブンは親会社と子会社の立場を入れ替えるため、2005年に新たな会社を設立して買収を回避したと考えられます。
【韓国のみ】セブンイレブンがミニストップを買収!
買収・合併の話をほとんど聞かないセブンイレブンですが、2022年3月22日に韓国のセブンイレブンが同じく韓国のミニストップを買収しました。
韓国のコンビニ業界ではセブンイレブンは3位止まりとなかなか打開策が見えなかったため、当時コンビニ業界5位のミニストップを買収し、コンビニ業界でのランキングの変動が目的だったと考えられるでしょう。
今回の買収・合併は、日本企業同士で力を合わせて韓国市場に向かっていくという意気込みが感じられますね。
ミニストップは他のコンビニを買収・合併を行わず業務提携で成長した
ミニストップもセブンイレブンと同じで他のコンビニチェーン店の買収・合併をほとんど行わずに事業拡大を図ってきた大手コンビニチェーン店です。
イオングループが運営しているミニストップは、他のコンビニチェーン店や企業に対して敵対するのではなく業務提携という形で事業として成長させてきました。
つまり、他企業やコンビニチェーン店と二人三脚で事業を行っていくスタンスのようですね。
ミニストップはセブンイレブンに買収されてなくなる?
先ほど韓国のミニストップが同国のセブンイレブンに買収されたとご紹介しましたが、このままセブンイレブンがミニストップを買収・合併していくのか気になりますよね。
韓国のセブンイレブンは、想定される企業価値より高い金額で韓国のミニストップを買収したようなので、セブンイレブンはミニストップを買い叩くつもりはないと考えられます。
このことから、今回の買収は子会社化して乗っ取るというよりかは協力して韓国市場に立ち向かっていくという意味合いが強いと言えるでしょう。
ミニストップはコンボストア戦略で海外で拡大中!
ミニストップは「コンボストア戦略」という、コンビニの便利さとファーストフード店の手軽さの2つの機能を併せ持った店舗形態を取る戦略のもと、事業展開し成長してきました。
このコンボストアという形態は海外での人気が高いため日本より1000店舗以上多く海外展開をしており、出店舖数は韓国が1番となっています。
しかし、2022年に韓国のミニストップはセブンイレブンに買収されたので、最大出店舖数の国が変わり現在は日本が1番です。
買収・合併されずに倒産して無くなったコンビニチェーン店5選を一覧でご紹介!
ここからは、大手コンビニチェーン店に買収・合併されずに倒産して無くなったコンビニチェーン店をご紹介していきます。
ローカルコンビニチェーン店の多くが買収・合併していったように見えますが、全体的に見ると買収・合併されたのはごくわずかな数です。
大手コンビニチェーン店に買収・合併したいと思われなかったローカルコンビニチェーン店のほとんどは倒産に追い込まれました。
無くなったコンビニチェーン店①:ニコマート【1993年】
ニコマートは当時にしては珍しくオフィス街や繁華街に多く出店して業績を伸ばしていたローカルコンビニチェーン店です。
また、他のコンビニチェーン店に先駆けてエリアフランチャイズ制度を導入したため店舗数を急激に伸ばし、一時期は自社ビルを持ち台湾に出店するほどの大成長をとげました。
しかし、元々親会社などを持たない独立した会社だったため資金繰りに苦戦している最中に、システムトラブルによる損失が重なり倒産へと追い込まれたと考えられます。
無くなったコンビニチェーン店②:タイムリー【2008年】
タイムリーは岐阜で勢いのあったローカルコンビニチェーン店で、他のコンビニチェーン店に先駆けてATMやバリアフリートイレなどを導入した画期的なコンビニだったと言えます。
当時東海地方はコンビニ激戦区で大手コンビニチェーン店も簡単に手出しができない状態にありましたが、タイムリーはローカルコンビニチェーン店として飛騨地方で独壇場を続けていた猛者コンビニチェーン店でした。
しかし、デイリーヤマザキと資本提携の話を進める中でタイムリーの創業者と公認会計士が詐欺容疑で逮捕され、その隙に他コンビニに勢力を伸ばされてしまい売り上げ不振に陥り、最終的にデイリーヤマザキに買収・合併される形で閉店したようです。
タイムリーが無くなる原因となったデイリーヤマザキとのトラブルとは?
1998年にタイムリーがデイリーヤマザキとの資本提携を話し合いが進められている最中に、タイムリー創業者と公認会計士が粉飾決算をしたとしてデイリーヤマザキへの詐欺容疑で逮捕されました。
デイリーヤマザキに資本提携してもらうために粉飾決算を行いましたが、裁判ではデイリーヤマザキはタイムリーの営業不振に気づけたとして無罪判決でした。
しかし創業者が詐欺容疑で逮捕されたタイムリーに対して世間の目は冷たく、コンビニとしての信頼を失い再起は不可能だったようですね。
無くなったコンビニチェーン店③:チコマート【2005年】
チコマートは伊藤忠商事グループの伊藤忠エネクスが1983年に創業したローカルコンビニチェーン店です。
コンビニとスーパーのハイブリットのような店舗を目指して事業展開を進めていきましたが2005年10月に完全閉店しました。しかし現在でも個人商店として看板を残している店舗がいくつかあるようですね。
現在伊藤忠商事はファミリーマートを経営しているので、コンビニ事業をファミリーマートに集中させる目的で他のコンビニ事業を畳んだと考えられます。
無くなったコンビニチェーン店④:パワーコンビニ情熱空間【2008年】
激安の殿堂で有名なドン・キホーテもかつてコンビニ事業に参加したことがあり、その際に出店したのがパワーコンビニ情熱空間でした。
ドン・キホーテの品ぞろえとコンビニの手軽さを掛け合わせた店舗展開を目指したようですが、元々の大型店舗のドンキとの品揃えや商品の差別化ができずに一年半という短い期間で閉店したようです。
しかしドン・キホーテはこの経験を活かしコンビニ形態ではなく、より大型化することにシフトチェンジを行い同年にメガドン・キホーテ事業を展開し成功しているので、コンビニ事業の失敗を挽回できたと言えます。
無くなったコンビニチェーン店⑤:エリアリンク【2013年】
エリアリンクはフランチャイズ料金が安く、営業時間や休日などの運営の全てをオーナーが決められたのでコンビニオーナーからの人気が高さから急速に事業を拡大していきました。
しかし2013年9月に突然、運営会社が事業停止されエリアリンクのホームページも閲覧不可となり客や関係者から心配の声が上がる中、同年12月に破産手続きが開始されたことが判明したのです。
現在でも個人経営として残っている店舗がいくつかありますが、エリアリンクは突然世間から無くなったコンビニチェーン店として話題になったようです。
コンビニの合併・買収はまだある?合併の噂について解説
ここからは、コンビニチェーン店の買収・合併の噂について解説していきます!
1990年代から盛んに行われたコンビニの買収・合併は、2020年代に入ると落ち着いたように見えますが未だに買収・合併の噂を耳にすることがあります。
現在はそれぞれの大手コンビニチェーン店の勢力争いのようになってきており、各コンビニの勢力図を崩したり維持するためには、買収・合併するというのも1つの方法です。
ローソンがミニストップと合併する噂がある?
ローソンを運営している三菱商事がミニストップを運営するイオンの筆頭株主であることから、ローソンはコンビニ業界の勢力図を書き換えるためにミニストップを買収・合併するのではないかという噂があります。
また、ミニストップにはローソンのマルチメディア端末のLoppi(ロッピー)も設置されているので、信憑性が高いように思えますね。
しかし2019年に三菱商事とイオンの業務提携の解消が発表されたので、買収・合併の可能性は低いと考えるのが妥当です。
ローソンがポプラ全店を吸収・合併するという噂は本当?
最近ローカルコンビニチェーン店のポプラがローソンに変わっているのを見て、ローソンがポプラを買収・合併したと思った方は多いのではないでしょうか?
ローソンは2020年にポプラと業務提携を発表し、関東から九州のポプラを含めた系列コンビニ109店舗をローソンポプラあるいはローソンへと転換することを発表しました。
そのためポプラの看板は減ってしまいますが、買収・合併ではなく業務提携なので転換後もポプラの会社が運営していくようです。
これから先もコンビニの合併・買収起こる可能性は高い
大手コンビニチェーン店がそれぞれの勢力図を書き換えたり、売り上げを伸ばしたりする方法として買収・合併を行なっていく可能性はあるでしょう。
ただ、買収・合併には多額の資金が必要なことや買収・合併後の店舗の改装費などの経費がかかることから、短期間で何度も行うことは無いと考えられます。
これから先、コンビニ業界がどう変化していくか気になりますね!
買収・合併によって無くなったコンビニチェーンや歴史まとめ
本記事では、合併・買収によって無くなったコンビニチェーンや大手コンビニチェーン店の歴史ついてまとめてきました。
各コンビニチェーン店の歴史に触れながら解説してきたので、今までと違った視点から各コンビニチェーン店を見ることができたのではないでしょうか。
また、無くなったコンビニチェーン店に対して今も「復活して欲しい」と思っているユーザーも少なからずいるようです。
ファミリーマートのように無くなったコンビニチェーン店の商品を復活販売してくれると、懐かしさに浸れて嬉しいですね。