日本でも近年、禁煙が推進されており多くの電子タバコが発売されています。使い捨て電子タバコはその他のタバコなどと比較するとニコチンやタールも0のモノが多く健康被害が少ないです。
しかし、世界的に見てみるとヨーロッパ諸国では使い捨て電子タバコを禁止していく傾向が進んでいます。
この記事では、欧州の中でもベルギーをピックアップし、ヨーロッパ諸国で電子タバコが禁止になっている理由、いつから禁止になるのかを詳しく説明していきます。
目次
ベルギーで使い捨て電子タバコが禁止された理由は?

ヨーロッパ諸国の1つであるベルギーでなぜ、使い捨て電子タバコが禁止になる事態になったのでしょうか。
ベルギー政府は、ヨーロッパで問題視されている若者の健康に対するリスク軽減の措置と環境への配慮のため、禁止の措置を講じました。
ここからは、使い捨て電子タバコによる若者の健康保護と環境問題への影響についてを説明していきます。
禁止することによって健康増進が期待される
ベルギーが使い捨て電子タバコを禁止する目的として、若者の健康増進を期待している点があります。
使い捨て電子タバコに含まれるニコチンは依存性がかなり高く、若者の健康に深刻な影響を及ぼしているのが現状の問題です。
2022年に同じヨーロッパ諸国のポーランド保健部が調査した結果によると、13~15歳を基準とし電子タバコを使用した経験がある青少年は、男性で21.2%・女性は23.4%との結果が出ました。
使い捨て電子タバコは多彩なデザインやフレーバーがあることで若者を引きつけやすく、ニコチンによる新たな健康問題を収束させるためにも使い捨て電子タバコを禁止する動きが決定しました。
若者のニコチンによる健康問題に繋がる
若者がニコチンを摂取すると、ニコチン依存による不安やうつ病のリスクなど、多くの健康問題を引き起こす可能性があります。
他にも、年齢が若いうちの成長期にニコチンを摂取することにより、身体的な成長や発達に悪影響です。
心臓発作や脳卒中といった大きな病気にも繋がるリスクがかなり高くなることも考えられるため、特に若者はニコチンから距離を置く必要があります。
環境被害の軽減にも効果がある
使い捨て電子タバコは一度使用すると廃棄されてしまいますが、この廃棄物の中にはプラスチックやリチウムイオン電池、金属部品などが含まれています。
これらの素材は適切に処理が出来ない場合、水質や土壌の汚染に直接関わります。
例えば、使い捨て電子タバコの利用が増えてしまうと、大量の廃棄物がリサイクルされることなく、埋め立てられることで環境へ大きな影響を及ぼします。
環境汚染に繋がると生態系にも悪影響を及ぼしてしまう可能性があるため、電子タバコを禁止する事で持続可能な社会へ関係が深まるでしょう。
持続可能な社会に繋がる理由
使い捨て電子タバコを禁止する事によって有害物質の削減に繋がります。
有害物質が自然環境に放出されると大気汚染や水質汚染に繋がり、食物連鎖の中に影響が出て最終的には人間の健康にも悪影響を及ぼす可能性もあります。
使い捨て電子タバコは廃棄物として有害物質でしかないことが認知されているため、禁止することで廃棄物を減らしていき直接環境に影響を与えられるということです。
使い捨て電子タバコの禁止について解説

WHO のヨーロッパ支局では各国での取り組みを促進するため、1987 年から 2001 年まで三次に渡り、たばこ規制に関する行動計画を策定していました。
第三次行動計画では、自動販売機での販売を禁止して18 歳未満へのたばこ製品の購入制限を目標としており、ヨーロッパ諸国での「2040年までにタバコのない世代を作る」という目標に大きく影響します。
この禁止令はベルギー全土で施行され、使い捨てベイプ製品の小売業者・製造業者・販売業者に影響を与え、新たなベイプソリューションへの転換を促すと予想されるでしょう。
販売禁止になった対象商品
ベルギーで禁止とされた、使い捨て電子タバコは特定のメーカーや製品に限らず全ての商品に適用されています。
具体的に禁止されている製品は以下の通りです。
- ニコチンを含む使い捨ての電子タバコ
- ニコチンを含まない使い捨て電子タバコ
- 多種多様な香りや味付きフレーバーの使い捨て電子タバコ
- 若者の興味を惹いてしまうようなデザインの使い捨て電子タバコ
- 使い捨て電子タバコの広告 etc…
使い捨て電子タバコというものである上に、若者への喫煙の入り口になりえるものとしても捉えられるような製品を禁止しています。
罰則制度の解説
販売禁止になったベルギーで、販売してしまった場合の罰則制度を解説していきましょう。
公園・競技場・保健および教育施設の半径10m以内では、すべての喫煙行為を法律で禁止する計画が進んでおり、違反時は事案に応じて最大日本円に換算して約130万円の罰金が科されます。
2025年1月現在、使い捨て電子タバコの製造や販売する方への罰則制度に伴う法律はありませんが、2024年3月に欧州委員会よりベルギーに対する国内法施行への実行承認が下りました。
フランスの法律が施行された場合
しかし、フランスも同様の禁止措置について欧州委員会からの承認を得ており、法律が施行されると電子タバコの製造や販売・無料提供が禁止され、違反した場合は日本円に換算して約1600万円の罰金が科せられます。
喫煙が禁止されている場所では電子タバコの使用自体も禁止ですので、電子タバコ店であっても電子タバコを吸うこと自体が違法です。
罰金の額の振り幅は大きいですが、うっかり喫煙したことが違法に繋がることもあるため注意が必要でしょう。
ベルギー以外で禁止している国はあるのか
ベルギー以外でも、使い捨て電子タバコなどを禁止している国はあるのかをご紹介していきます。
ヨーロッパ諸国の他の国では、2025年1月現在で禁止になっている国はまだありませんが、ベルギーの禁止をきっかけにフランスをはじめアイルランドやドイツ・ポーランドも同様の立法を準備していくでしょう。
上記でも記載したように2040年までに喫煙者人口を減らす計画が進んでおり、世界で見た場合2021年の結果になりますが、30か国以上が電子タバコ製品に対する何らかの形の禁止または規制を実施しています。
どのように電子タバコを禁止しているのか
禁止の内容にも、使用と販売を全面的に禁止している国もあれば販売のみを禁止している国もあり、ニコチンを含む製品のみを禁止している国もあります。
国独自の内容で決めていることが多く、国によっては医療でも使われることもあるようで比較的緩い規制が多く見られます。
アルゼンチンやブラジル・インド・メキシコなどでは、電子タバコの使用は合法ですが販売は違法です。
しかし、日本では使用とデバイスおよびニコチンゼロの電子液体の販売は合法ですがニコチン含有液体の販売は違法のため、電子タバコとは異なるIQOSなどの加熱式タバコが人気を得ているのでしょう。
旅行者への規制はされているのか

旅行者による電子タバコの持ち込みに対する具体的な規制は、2025年1月現在明確に定められていません。厳密にはベルギーで禁止の法律が施行されたばかりのため、まだ情報は出ていないと考えられます。
ベルギー入国時には、旅行客の個人使用目的の電子タバコ持ち込みについては特に制限がなく、個人的な使用ならよいかもしれません。
ただし、そもそもの喫煙禁止エリアに注意しなければならい上に、いつ旅行者にも適応されるか分からないため使用しないのが無難でしょう。
ベルギー旅行者への対策について
現在、ベルギーの公式観光サイトや旅行情報サイトに情報は記載されていないものの、ベルギーでは使い捨て電子タバコの販売禁止に関する広告やキャンペーンが行われています。
空港や旅行中に確認できる電子タバコ禁止についての広告・キャンペーンには、国民へ情報を拡散するだけではなく、旅行者への注意喚起の意図もあるでしょう。
また、旅行者の違反が目立ち始めると、ヨーロッパ諸国の委員会で旅行者に向けて法律の施行が考えられるため、ルールやマナーを守って旅を楽しんでください。
旅行する際の注意点
旅行前には、行き先の公式観光サイトや旅行情報サイトなどを利用し、規制状況や情勢について確認すると安心して旅行できるでしょう。
また、ベルギーのように掲載されてない可能性もあるため、海外旅行をしている人のブログやSNS・YouTubeなどを見ると新しい情報を得られる可能性があります。
旅行会社に問い合わせる方法もありますが、直接聞くのに抵抗がある場合は、旅行先の法律や規制に関する情報を記載している日本の外務省のWebサイトがおすすめです。
ベルギーでの使い捨て電子タバコの禁止理由と旅行者の注意点まとめ|まとめ
ベルギーでの使い捨て電子タバコの禁止理由は、健康増進や環境被害の軽減が主な理由で、使い捨て電子タバコが人体と環境に大きな影響を及ぼしているかが重要なポイントでした。
ヨーロッパ諸国での使い捨て電子タバコ禁止に繋がる理由を理解した上で、ヨーロッパやベルギーについての理解が深まれば幸いです。
今後は使い捨て電子タバコの禁止が世界的にも広がると予想されるので、理由を考えながら国への理解を深めていくのも面白いでしょう。