節分の日に1年の健康や幸せを願って食べる恵方巻きですが、年によって恵方の方角や節分の日付が変わることから、2023年はいつどこを向いて食べれば良いのかを知りたい方も多いでしょう。
結論から言うと2023年の節分の日は2月3日(金)で、「南南東のやや南向き」が今年の恵方の方角です。
この記事ではコンビニなどで買える恵方巻きの由来や歴史や食べ方のルールなどを紹介します。
また、恵方の方角を調べる簡単な方法も解説するので、恵方巻きを食べる予定の方はぜひ参考にしてみてください!
目次
恵方巻きを食べるようになったのはいつから?恵方巻きの由来やルーツ・発祥地を解説
節分の日の習慣のとして親しまれている恵方巻きですが、そもそもいつから始まった文化なのか、どこが発祥地なのかをご存知ない方も多いのではないでしょうか。
恵方巻きの由来や歴史には諸説ありますが、江戸時代の大阪を発祥の地として、その後販売店やマスコミの宣伝をきっかけに全国に広まったとされています。
まずは節分の日に恵方巻きを食べるようになった歴史や由来、発祥地などのルーツの詳細について確認していきましょう。
恵方巻きとは「7種類の具材を巻き上げた太巻き寿司」のこと
恵方巻きとはその年の恵方(良い方角)を向きながら食べる、7種類の具材を使用した太巻き寿司のことです。
食べ方は地方によって異なりますが、基本的には「1年を通して良いことやご縁が途切れることのないように」と願いを込めて1本の恵方巻きにそのままかぶりつくのが一般的です。
恵方巻きには「福を巻き込む」と願いを込めるため七福神にちなんで7種類の具材を使うのが良いとされていますが、各食材の由来について詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
具材 | 由来 |
---|---|
しいたけ | しいたけのかさを陣笠に見立てて「身を守ってくれますように」 |
伊達巻・卵焼き | 巻物に似ている形から「知識が増えますように」/卵焼きは黄金色なので「金運があがりますように」 |
かんぴょう | 細長い形状から「良縁と結ばれますように」「長寿となりますように」 |
桜でんぶ | 鯛の白身をほぐした桜色なので「めでたいことがありますように」 |
エビ | エビの背は丸いので「腰が曲がるまで長生きしますように」 |
きゅうり | 名前の響きから「九の利を得られますように」 |
うなぎ | うなぎの特性から「うなぎのぼりに出世できますように」 |
恵方巻きは花街で働く人や商人が商売繁盛を祈って食べ始めたことが由来
恵方巻きの始まりは江戸時代から明治時代にかけて、花街で働く人々や商人が商売繁盛の願いを込めて食べ始めたのが由来と言われています。
用意した太巻き寿司を1本そのまま食べることが「商売の運気を一気に呼び込み、それが年間を通して続きますように」という願掛けになっていたそうです。
当時から行われた「恵方巻きを丸ごと食べる」風習は、現在も恵方巻きを食べる際のルールとして継承されていますが、その歴史の長さに驚く方も多いのではないでしょうか。
節分に恵方巻きを食べる習慣は大阪から全国に広まった
節分の日に恵方巻きを食べる習慣は、大阪を発祥地として後に全国へ広まったとされています。
当時は花街で働く人々や商人が舞妓や芸妓と一緒に、お座敷遊びなどを楽しみながら恵方巻きを食べていたそうです。
その後チラシやマスコミを通じて恵方巻きが宣伝されるようになり、大阪だけでなく全国で恵方巻きを食べる習慣が親しまれるようになりました。
恵方巻きの誕生から現在までの歴史は?いつ頃からコンビニで販売し始めたのかもご紹介
節分そのものは、室町時代に「福を招き入れ鬼を追い払う」ことで無病息災を願う「豆まき」の文化が中国から伝わったことが由来だと言われています。
一方で、節分の日に恵方巻きを食べる文化は江戸時代の大阪から始まり、やがて全国的に行われる季節の行事として定着するようになりました。
ここからは恵方巻きの誕生から現在までの歴史とコンビニで販売され始めた時期について確認していきましょう。
- 江戸時代~大正時代に大阪の花街で節分に海苔巻きを食べる習慣が根付いた
- 1932年~1949年頃に大阪鮓商組合などが恵方巻きのチラシを配布する
- 1970年代にマスコミに取り上げられたことで知名度が上がった
- 1980年代に「恵方巻き」の名前でコンビニやスーパーで販売されて一気に普及した
- 最近では商業的なイベントとして定着している
恵方巻きの歴史①:江戸時代~大正時代に大阪の花街で節分に海苔巻きを食べる習慣が根付いた
恵方巻きの歴史は江戸時代から大正時代に、大阪の花街で節分の日に海苔巻きを食べていたことが由来だとされています。
先ほどもご紹介しましたが、主に大阪の花街で働く人や商人たちにはその年の商売繁盛を祈りながら海苔巻きを食べる習慣があったようです。
また、当時は「太巻き寿司」「丸かぶり寿司」と呼ばれることが多く、「恵方巻き」という名称は一般的ではありませんでした。
恵方巻きの歴史②:1932年~1949年頃に大阪鮓商組合などが恵方巻きのチラシを配布する
1932年頃から、大阪鮓(すし)商組合が恵方巻きに関するチラシを配布するようになりました。
当時のチラシの内容は大まかに言うと「節分の日に海苔巻きを丸かぶりする習慣は昔から遊郭などで流行しており、恵方を向いて無言で食べると運気が上がる」といった内容です。
実際に配布された恵方巻きのチラシは、大阪中央区の「本福寿司」の店舗内に現在も掲示されています。
恵方巻きの歴史③:1970年代にマスコミに取り上げられたことで知名度が上がった
元々は大阪を発祥の地としていた恵方巻きの歴史と文化は、1970年代にマスコミが取り上げたことで全国的にも知名度が上がることとなります。
1977年2月に大阪・道頓堀で開催された「海苔祭り」のイベントのひとつとして「巻き寿司早食い競争」の様子がマスコミに取り上げられており、このことが全国に恵方巻きが知られる大きなきっかけとなりました。
マスコミがイベントを取り上げたことを皮切りに全国の海苔祭りでも宣伝が行われるようになり、恵方巻きが一気に日本の習慣として広まったようです。
恵方巻きの歴史④:1980年代に「恵方巻き」の名前でコンビニやスーパーで販売されて一気に普及した
1970年代に節分に食べる巻き寿司の存在が広まったことで、1980年代には「恵方巻き」の名前でコンビニ・スーパーで販売されるようになりました。
まず、関西地方のダイエーが1980年に恵方巻きの販売をスタートした後に、1983年に大阪と兵庫のファミリーマートでも恵方巻きの取り扱いを開始しています。
1989年には広島のセブンイレブンに恵方巻きが並び、各コンビニやスーパーでハーフサイズや海鮮巻きなどのバリエーション豊かな恵方巻きが販売されたことも文化が広く普及した理由と考えられます。
恵方巻きの歴史⑤:最近では商業的なイベントとして定着している
最近では、恵方巻きが季節の節目となる商業的なイベントとして開催される様子が一般的になっています。
コンビニやスーパーでの販売を筆頭に、回転寿司大手チェーンが恵方巻きフェアを開催したり海の幸を具材に使用した「海鮮巻き」が登場するなど、多種多様な盛り上がりを見せています。
その他、スイーツで作った恵方巻きの「恵方ロール」が発売されたり、2月以外の節分に夏・秋の恵方巻きを販売していることからも、恵方巻きの文化は自由に楽しめることが魅力だと言えるでしょう。
2023年の節分はいつ?恵方の方角や日付が変わる理由を紹介!
恵方巻きは節分の日に恵方を向いて食べるのが基本的なルールですが、年によって節分の日付や恵方の方角が変わるので「毎年調べるのが大変」と感じる方も多いようです。
ここからは2023年の節分の日付と恵方の方角・節分の日が変わる理由を解説します。
恵方の方角を簡単に調べる方法や、西暦の末尾の数字で恵方を確認する方法なども紹介しているので、ぜひ覚えてご家族やお友達にシェアしてみてください!
2023年の節分の日付は「2月3日」で恵方は「南南東のやや南」
2023年は2月4日が立春ですので、その前日である2月3日が今年の節分の日となります。
2023年の恵方は「南南東のやや南」向きなので、iPhoneをお持ちの方は本体に標準搭載されているコンパスアプリを開き、「165°南」と表示された方角を確認しておくと良いでしょう。
Androidの場合はコンパスアプリは標準搭載されていないので、コンパスアプリをインストールした上で自宅の中からどこを見れば恵方になるのかを調べてみてください。
恵方の方角は「十干(じっかん)」によって決まる
恵方は福徳を司る「歳徳神(としとくじん)」がいる方角のことで、恵方は東西南北と十干(じっかん)の組み合わせで決まることをご存知でしょうか。
十干とは中国が由来の「甲・乙・丙・丁・戊・己・丙・辛・壬・癸(こう・おつ・へい・てい・ぼ・き・こう・しん・じん・き)」のことで、主に暦の読み方などに用いられています。
まとめると、恵方は十干と東西南北の四方を組み合わせた東北東・西南西・南南東・北北西の4つの方角が、10年を1つの周期として移り変わる仕組みです。
節分にあたる「立春の前日」の日付は年によって変わることがある
先ほども少し解説しましたが、実は節分にあたる立春の前日の日付は年によって変わることがあるため、毎年必ず2月3日になるとは限りません。
太陽の位置によって立春の日が変わることもあり、最近では2021年の節分は2月2日だったことが記憶に新しいところですが、2月2日が節分になるのは実に124年ぶりのことでした。
2023年は昨年と同じく立春の日付が2月4日(土)なので、節分の日は2月3日(金)となります。
西暦の末尾の数字でも恵方の方角を知ることができる
前述したように、恵方は四方と十干の組み合わせによって決まった周期を前提として移り変わるため、西暦の末尾の数字で恵方の方角を確認することも可能です。
西暦の末尾の数字が分かれば数年先の恵方も分かるので、毎年「今年の恵方の方角はどっちだっけ?」と調べる必要もなくなります。
十干・西暦末尾の数字・恵方は下記の通りなので、ご家族やお友達に共有してみてはいかがでしょうか。
十干 | 西暦の末尾の数字 | 恵方 |
---|---|---|
甲・己 | 4・9 | 東北東 |
庚・乙 | 0・5 | 西南西 |
辛・癸・丙・戊 | 1・3・6・8 | 南南東 |
壬・丁 | 2・7 | 北北西 |
コンビニで買ってきた恵方巻きはいつ食べるべきか食べ方・ルールを解説
せっかく節分の日にコンビニで買った恵方巻きを食べるなら、より効果的なタイミングで食べたいところです。
しかし今まで恵方巻きをあまり食べたことのない人の中には、食べる時のルールや時間帯などがよく分からないという方も居るのではないでしょうか。
ここからはコンビニで買ってきた恵方巻きの食べ方とルールや、いつ食べるべきかを分かりやすく解説していきます。
- 節分当日に食べる
- 家族の人数分を準備する
- その年の恵方の方角を向いて食べる
- 1本を切らずにそのまま食べる
- 食べている間は喋らない
恵方巻きの食べ方・ルール①:節分当日に食べる
恵方巻きの食べ方やルール1つ目は、節分当日に食べることです。
恵方巻きを節分に食べるのは当たり前だと感じるかもしれませんが、先ほど解説したように節分の日はその年によって変わります。
2023年は2月3日(金)が節分の日ですが、恵方巻きを食べる時間帯には決まりがないので昼・夜ご飯やおやつなど、好きなタイミングで食べると良いでしょう。
恵方巻きの食べ方・ルール②:家族の人数分を準備する
恵方巻きの食べ方やルール2つ目は、家族の人数分だけ準備することです。
後ほど紹介しますが恵方巻きは切らずに食べるのもルールのひとつなので、コンビニなどで家族の人数分の恵方巻きを用意する必要があります。
サイズは自由なので、ご家族それぞれが食べ切れるサイズの恵方巻を準備して、みんなが無事に食べ終えられるようにすると良いでしょう。
恵方巻きの食べ方・ルール③:その年の恵方の方角を向いて食べる
恵方巻きの食べ方やルール3つ目は、その年の恵方の方角を向いて食べることです。
2023年の恵方である南南東のやや南の方角を向きながら恵方巻きを食べることで、邪気が払われ願い事が叶うとされています。
後述しますが恵方巻きを食べ終えるまでは喋らないのが基本的なルールとされているので、なるべく食べ切れる量の恵方巻きを準備すると良いでしょう。
恵方巻きの食べ方・ルール④:1本を切らずにそのまま食べる
恵方巻きの食べ方やルール4つ目は、1本を切らずにそのまま食べることです。
恵方巻きは「福を巻き込む」太巻き寿司なので、包丁でカットしてしまうと「縁を断つ」「福を切る」ことになると考えられています。
つまり1本を丸ごと食べることになりますが、サイズに決まりはないのでお子様には小さな恵方巻きを準備するなどして、喉に詰まらせたりしないよう自分のペースで食べると良いでしょう。
恵方巻きの食べ方・ルール⑤:食べている間は喋らない
恵方巻きの食べ方やルール5つ目は、食べている間は喋らないことです。
話しながら食べてしまうと願い事や運気が逃げてしまうという考え方が伝わっていることからも、恵方巻きを食べ終えるまでは静かに無言を貫きましょう。
また、地域や家庭によっては「目を閉じたまま食べる」「笑い声を出しながら食べる」といったルールで食べる方もいます。
恵方巻きに関する3つの質問をご紹介
これまで恵方巻きの由来や歴史、食べ方のルールや今年の恵方についてお伝えしてきました。
しかし、記事を読んでいく中で「恵方以外を向いて食べても良いの?」「具材は絶対7種類じゃないとダメ?」といった疑問や不安が浮かんだ方も居るでしょう。
最後に恵方巻きに関するよくある3つの質問に回答していくので、恵方巻きについてより詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
- 恵方を向かないで食べても大丈夫?
- 恵方巻きの具材は絶対に7種類でないといけない?
- 恵方巻き以外に節分に食べるものはある?
恵方巻きに関する質問①:恵方を向かないで食べても大丈夫?
結論から言うと、恵方巻きを恵方以外の方角を向いて食べても問題ありません。
歴史的に見ても、恵方巻きを恵方を向かないで食べると悪いことが起こるなどの言い伝えもないので、恵方の方角が分からない方も安心してください。
シンプルに節分の日に恵方巻きを食事のメニューにするだけという方も居ますので、変に気構えずにそれぞれの楽しみ方で食べることをおすすめします。
恵方巻きに関する質問②:恵方巻きの具材は絶対に7種類でないといけない?
恵方巻きは七福神にちなんで7種類の具材を使うと良いとされていますが、特に厳格な決まりなどはありません。
地方によって恵方巻きの具材には違いがあり、名古屋では味噌カツやエビフライを入れたり、仙台では牛タンを入れるなど、それぞれ違った食べ方を楽しんでいるようです。
「必ずこの具材を入れなければならない」といった決まりはないので、各家庭で好きな具材を入れたオリジナル恵方巻きを作り、健康や幸せを願って食べてみてはいかがでしょうか。
恵方巻きに関する質問③:恵方巻き以外に節分に食べるものはある?
恵方巻き以外で節分に食べるものとして節分いわしや節分そばが挙げられます。
イワシといえばDHAやカルシウムといった栄養素を豊富に含む魚として有名ですが、節分の日に無病息災を願ってイワシを食べる地域もあります。
また、江戸時代には立春の前日を「年越し」としてそばを食べる文化がありましたが、現在は12月31日に食べるそばが年越しそばと言われるようになりました。
そのため、江戸時代の年越しそばが節分そばと呼ばれる形で節分に食べるメニューとして残っています。
コンビニの恵方巻きの由来や歴史はいつから?2023年の恵方の方角や食べ方のルール・具材まとめ
この記事ではコンビニでも買える恵方巻きの由来や歴史、2023年の恵方や食べ方のルールについて詳しくお伝えしました。
2023年の恵方は南南東のやや南向きなので、2月3日(金)の節分の日には1年の健康や幸せを願いながら、恵方を向いて恵方巻きを食べることをおすすめします。
節分の日に恵方を向いて食べるのが基本的なルールですが、恵方巻きに使用する具材の種類やサイズは自由なので、それぞれコンビニで購入したり自宅で作ったりして自由に楽しみましょう!