エナジードリンクはエネルギーの補給に加えて眠気覚ましに役立つ成分が含まれているため、適度に飲むことで疲労の回復や集中力がアップする効果が期待できます。
しかし、エナジードリンクを飲み過ぎると成分を過剰摂取することとなり、体に悪い影響を与えることも認識しておく必要があるでしょう。
今回はエナジードリンクを毎日飲むと体に悪いのか、飲み過ぎによる体への影響や具体的な症状を解説するほか、体に悪い影響を与えないエナジードリンクの飲み方もご紹介します。
目次
- 1 エナジードリンクが「体に悪い」は嘘?なぜ飲み過ぎが危険なのか体への影響・症状を解説
- 1.1 エナジードリンクが体に悪い理由・危険性①:砂糖・糖質の摂りすぎで太る
- 1.2 エナジードリンクが体に悪い理由・危険性②:酸によって歯のエナメル質が溶ける
- 1.3 エナジードリンクが体に悪い理由・危険性③:毎日飲むと慢性カフェイン中毒になる
- 1.4 エナジードリンクが体に悪い理由・危険性④:カフェインとタウリンの同時摂取に危険性がある
- 1.5 エナジードリンクが体に悪い理由・危険性⑤:カフェインに依存性がありやめられない
- 1.6 エナジードリンクが体に悪い理由・危険性⑥:妊婦さん・授乳中の方は赤ちゃんに悪影響がある
- 1.7 エナジードリンクが体に悪い理由・危険性⑦:脳が溶ける・脳出血のおそれがある
- 1.8 エナジードリンクが体に悪い理由・危険性⑧:「栄養補助食品」に分類されるものは規制の対象とならない
- 2 海外でエナジードリンクが原因で死亡したケースや日本国内での死亡例を紹介
- 3 エナジードリンクは飲み方や成分の摂取量に気をつければ体に悪い影響は出ない!
- 4 エナジードリンクに関する3つの疑問や質問に回答
- 5 「エナジードリンクを毎日飲むと危険」は嘘?飲み過ぎによる脳への影響や体に起こる症状・死亡例まとめ
エナジードリンクが「体に悪い」は嘘?なぜ飲み過ぎが危険なのか体への影響・症状を解説
エナジードリンクの飲み過ぎは体に悪いという話を聞いたことがある方も居るでしょう。
適量を飲めば疲労回復や集中力の向上などの効果が期待できますが、習慣化してしまい毎日飲むと体に悪い影響を与える可能性があるため、飲み過ぎには注意が必要です。
まずはエナジードリンクが体に悪いという噂は嘘なのか、毎日飲むとどのようなリスクがあるのかについて、エナジードリンクの飲みすぎによって引き起こされる危険性をそれぞれ解説します。
- 砂糖・糖質の摂りすぎで太る
- 酸によって歯のエナメル質が溶ける
- 毎日飲むと慢性カフェイン中毒になる
- カフェインとタウリンの同時摂取に危険性がある
- カフェインに依存性がありやめられない
- 妊婦さん・授乳中の方は赤ちゃんに悪影響がある
- 脳が溶ける・脳出血のおそれがある
- 「栄養補助食品」に分類されるものは規制の対象とならない
エナジードリンクが体に悪い理由・危険性①:砂糖・糖質の摂りすぎで太る
エナジードリンクにはジュースや炭酸飲料と同様に多くの砂糖が含まれているため、1日に何本も飲んだり毎日飲むことが習慣になってしまうと、砂糖や糖質を摂りすぎてしまう可能性があります。
砂糖・糖質を過剰に摂取することは肥満の原因となるだけでなく、生活習慣病を引き起こす危険性もあるため注意が必要です。
エナジードリンクによって含まれる砂糖・糖質の量は異なるため、過剰摂取を防ぐためには成分表などから含有量を確認しておくと良いでしょう。
エナジードリンクが体に悪い理由・危険性②:酸によって歯のエナメル質が溶ける
炭酸を含むエナジードリンクは酸性度が高いため、歯のエナメル質が溶ける可能性もあります。
通常は唾液が酸を中和するため問題ありませんが、酸性度が高いものを頻繁に口にすると唾液による中和が追いつかなくなり、歯のエナメル質が徐々に溶けていく危険性が考えられます。
何かの作業をしながらエナジードリンクを少しづつ飲むといった飲み方は、酸が歯に触れる時間が長いことから歯が溶けやすくなるため、毎日飲む習慣がある方は飲み方にも注意しなくてはいけません。
エナジードリンクが体に悪い理由・危険性③:毎日飲むと慢性カフェイン中毒になる
エナジードリンクにはカフェインが含まれていることから、毎日飲むことで慢性カフェイン中毒となるリスクもあります。
カフェイン中毒になると、動悸やめまい・不眠などの日常生活に支障をきたす様々な症状に悩まされることが考えられます。
成人の1日のカフェイン摂取量は最大400mgとされていますが、エナジードリンクには100〜200mg程度のカフェインが含まれているものが多いので、1日に何本も飲むなどの過剰摂取には十分に注意が必要です。
エナジードリンクが体に悪い理由・危険性④:カフェインとタウリンの同時摂取に危険性がある
エナジードリンクにはカフェインだけでなくタウリンやガラナなどの添加物が含まれていますが、カフェインとタウリンを同時に摂取するとカフェインの作用を強める可能性があります。
カフェインとタウリンを長期的に摂取した場合は思春期の子どもの脳に悪影響を及ぼすという研究データもあり、ジュース感覚で飲み続けている未成年者は自分の体に悪い影響を与え続けている可能性があることを認識しなければいけません。
また、自己管理が難しい子供の場合は保護者も一緒になって飲む量や飲み方をコントロールして、カフェインとタウリンを過剰に摂取しないように気をつけましょう。
エナジードリンクが体に悪い理由・危険性⑤:カフェインに依存性がありやめられない
エナジードリンクに含まれているカフェインには依存性があるため、毎日飲むようになり習慣化してしまうと、なかなか止められない場合もあります。
カフェインが切れてしまうと集中できないほか、眠気に襲われたり頭痛が酷くなるなどの症状が現れることからさらにカフェインに頼るようになり、効き目が悪く感じるとより多くのカフェインを摂取するようになるでしょう。
心と体に悪い影響を与える危険性があるカフェイン依存性にならないためにも、カフェインには強い依存性があることやカフェインの効果に頼りすぎずに体調をケアすることの重要性を、日頃から認識しておくことが必要です。
エナジードリンクが体に悪い理由・危険性⑥:妊婦さん・授乳中の方は赤ちゃんに悪影響がある
エナジードリンクを妊娠中に飲むと、血管の収縮によって胎盤内の血液が減り、胎児の発育や妊婦の体に悪い影響を与える可能性があります。
また授乳中にエナジードリンクを毎日飲むと母乳からカフェインが赤ちゃんに影響を及ぼし、なかなか寝なかったり落ち着きがなくなるなどの症状が見られることもあるでしょう。
妊娠中や授乳期にエナジードリンクを飲むと胎児や赤ちゃんにも影響を及ぼすことから、摂取は控えるようにしてください。
エナジードリンクが体に悪い理由・危険性⑦:脳が溶ける・脳出血のおそれがある
エナジードリンクの過剰摂取は、脳が溶けたり脳出血を起こすような重篤な症状を引き起こす可能性もあり、非常に危険です。
毎日エナジードリンクを飲むことか習慣化して短期間で大量に摂取した結果、脳出血によって2度の脳手術を行った事例や、虚血性脳卒中で倒れたという事例もあります。
エナジードリンクは過剰に摂取したり飲んだタイミングや体調が悪かった場合には、命を危険にさらすような症状が出ることも把握しておきましょう。
エナジードリンクが体に悪い理由・危険性⑧:「栄養補助食品」に分類されるものは規制の対象とならない
エナジードリンクは「栄養補助食品」に分類されるため規制の対象から外れており、炭酸飲料へのカフェイン量の規制や医薬品に必須の安全性試験の実施・ラベル表示義務も対象外となっています。
さまざまな健康リスクがありながらも製造や販売が続けられているため、16歳未満の子どもにエナジードリンクを販売することを禁止している国もあり、対策や対応は国によっても様々です。
特に規制がされていない日本では、エナジードリンクとの上手な付き合い方を自分自身で判断して過剰摂取を避ける必要があるでしょう。
海外でエナジードリンクが原因で死亡したケースや日本国内での死亡例を紹介
エナジードリンクを毎日飲むなど過剰に摂取した場合には、健康上のさまざまな危険性があることを紹介しましたが、エナジードリンクの過剰摂取が原因で死亡に至ったケースもあります。
エナジードリンクによる死亡事例については、カフェイン含量が多い海外だけでなく、日本国内でも死亡例が報告されているため注意が必要です。
ここでは、国内外で報告されているエナジードリンクが原因の死亡例をご紹介します。
- カフェイン飲料とエナジードリンクを短時間の間に飲み続けた(アメリカ)
- 深夜勤務でエナジードリンクを常用していた(日本)
エナジードリンクが原因で死亡した事例①:カフェイン飲料とエナジードリンクを短時間の間に飲み続けた(アメリカ)
米南部のサウスカロライナ州では、16歳の高校生男子がカフェインを含む飲料を一気に大量に飲んだことが原因で死亡したという事例があります。
この事例では2時間の間に大量のコーヒーとエナジードリンクを立て続けに飲んでいた可能性があるため、カフェインの過剰摂取によって心臓に負荷がかかり、不整脈の症状を起こしたことが死因として考えられています。
カフェインの副作用として不整脈を発症して死に至る危険性もあるため、カフェイン摂取量のコントロールが難しい10代の若者や子供は特に気をつける必要があるでしょう。
エナジードリンクが原因で死亡した事例②:深夜勤務でエナジードリンクを常用していた(日本)
国内初のカフェイン中毒死として、エナジードリンクを常用していた20代の男性がカフェインの過剰摂取によって死亡したという日本での事例もあります。
男性はガソリンスタンドで深夜に勤務していたため、眠気を覚ますためエナジードリンクの過剰摂取が習慣化しており、死亡時には血液内に高濃度のカフェインが確認されました。
眠気覚ましとして効果的なエナジードリンクですが、毎日大量に飲むことが習慣化していると慢性的な体調不良だけでなく、死に至る危険も十分にあるでしょう。
エナジードリンクに含まれるカフェインは「3g」で致死量に達する
カフェインの致死量は3gですが、これをエナジードリンクの本数で換算すると、1本150mg程度のカフェイン量のエナジードリンクの場合は20本飲むと致死量に達します。
エナジードリンクを短時間に20本一気に飲むことはなかなか難しいですが、カフェインを含む食品や薬品と合わせると気付かないうちにカフェインの過剰摂取に陥る可能性があり、錠剤との併用はさらに危険です。
コーヒーやお茶に多く含まれるカフェインはチョコレートなど手軽に食べられる食品にも含まれており、飲料や錠剤だけでなく食品との兼ね合いで超えることもあることを覚えておきましょう。
エナジードリンクは飲み方や成分の摂取量に気をつければ体に悪い影響は出ない!
ここまでエナジードリンクを毎日飲むとどうなるのか、飲み過ぎるとどのような症状が現れるのかをご紹介してきました。
しかし、エナジードリンクは一時的に飲む分には集中力アップや眠気覚ましにも効果的で、飲み方や摂取量に気を付ければ体に悪い影響は現れません。
ここでは体に悪い影響の出ないエナジードリンクの飲み方や、エナジードリンクとの上手な付き合い方をご紹介します。
- 1日に摂取するカフェイン量は「400mg以下」に抑える
- 砂糖・糖質の1日の摂取量は「25mg以下」にする
- アルコールと一緒に飲まない
- 夜寝る前には飲まないようにする
体に悪い影響の出ないエナジードリンクの飲み方①:1日に摂取するカフェイン量は「400mg以下」に抑える
まずエナジードリンクを飲む上で意識すべきポイントは、1日に摂取するカフェイン量を「400mg以下」に抑えることです。
コーヒー100mlあたりに含まれるカフェイン量は60mg程度ですが、エナジードリンクの場合は商品によって違いがあり、100~300mgほど含まれているものが多いです。
お茶やコーヒーなどカフェイン含む飲み物をよく飲む方は、エナジードリンク1本あたりのカフェイン含有量をきちんと確認した上で、総量をしっかりとコントロールしましょう。
特にカフェインを含む錠剤を服用する方はカフェインの摂取量がオーバーする危険性が高いため、併用を避けるなどエナジードリンクを飲むタイミングや頻度をしっかり管理する必要があります。
主なエナジードリンクのカフェイン量の一覧
モンスターエナジー(355ml) | 142mg |
---|---|
レッドブル(250ml) | 80mg |
ゾーン(400ml) | 150mg |
リアルゴールド(190ml) | 0 |
ライジン(250ml) | 0 |
キーバ(500ml) | 160mg |
サバイバー(250ml) | 120mg |
体に悪い影響の出ないエナジードリンクの飲み方②:砂糖・糖質の1日の摂取量は「25mg以下」にする
エナジードリンクは砂糖や糖質を多く含むため、1日の砂糖や糖質の摂取量を「25mg以下」を越えないように、飲む量をコントロールすることも大切です。
過剰に砂糖を摂取することによる血糖値の急激な変動は、体のさまざまな不調に繋がるだけでなく、糖尿病になるおそれや生活習慣病の原因となる危険性もあります。
砂糖や糖質を日々の食事や間食でも多く摂取している方は、エナジードリンクを毎日飲むと糖分の過剰摂取につながる可能性が高いため、毎日飲まないようにするなど飲む頻度には注意しましょう。
主なエナジードリンクの砂糖・糖質量の一覧
モンスターエナジー(355ml) | 39.05g |
---|---|
レッドブル(250ml) | 25g |
ゾーン(500ml) | 61.2g |
リアルゴールド(190ml) | 26.6g |
ライジン(250ml) | 27g |
キーバ(500ml) | 公表なし |
サバイバー(250ml) | 公表なし |
体に悪い影響の出ないエナジードリンクの飲み方③:アルコールと一緒に飲まない
エナジードリンクに多く含まれるカフェインには興奮作用もあるため、お酒と一緒に飲むと酔った状態に気付きにくく、飲み過ぎや悪酔いの原因となることもあります。
またアルコールとカフェインには利尿作用もあるため、アルコールを飲みすぎたことによって脱水症状になることもあり、十分に注意しなければいけません。
眠気覚ましにエナジードリンクを飲む方も多いですが、急性アルコール中毒を引き起こす危険性もあるため、アルコールと一緒に飲まないように気をつけましょう。
体に悪い影響の出ないエナジードリンクの飲み方④:夜寝る前には飲まないようにする
カフェインには興奮作用によって眠気を覚ます効果があるため、寝つきが悪くなる可能性があります。
また、酸が歯に残ったまま就寝すると歯のエナメル質を溶かしてしまい、歯の健康状態が悪化する危険性も考えられます。
集中力向上や眠気を覚ましたいときには効果がありますが、日常的に夜に常用して飲むことや生活リズムを著しく崩す可能性がある時間帯は避けて飲むようにしてください。
エナジードリンクに関する3つの疑問や質問に回答
正しい知識を身につけて、エナジードリンクと上手に付き合っていきたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、エナジードリンクの飲み方に関連した3つの質問について詳しくまとめています。
エナジードリンクの体への影響や子どもが飲むことのリスクに加えて、代用品もご紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
- エナジードリンク以外でカフェインの効果を得るには?
- エナジードリンクによる体に悪い影響は解消できる?
- 子供がエナジードリンクを飲んでも大丈夫?
エナジードリンクに関する疑問や質問①:エナジードリンク以外でカフェインの効果を得るには?
カフェインの効果を得たい時には、エナジードリンクの代用としてコーヒーや紅茶を飲むと良いでしょう。
コーヒーや紅茶に含まれるポリフェノールには抗酸化作用があり、動脈硬化やがん、老化の原因である活性酸素を除去する効果も期待できます。
カフェインの他に糖質を摂ってエネルギーを補いたいという方は、消化が良くコンビにでも手軽に購入できるバナナやおにぎり等で代用することをおすすめします。
エナジードリンクに関する疑問や質問②:エナジードリンクによる体に悪い影響は解消できる?
エナジードリンクによる体への悪い影響は、少しずつカフェイン量を減らすことや睡眠を取ることに加えて、バランスの良い食事で改善することができます。
毎日エナジードリンクを飲むと、カフェインへの依存性が高くなりすぐに止められない可能性があるため、少しずつカフェイン量を調整していくことが大切です。
また、体調を整えるためには睡眠を取りバランスの良い食事で生活習慣を見直すことも忘れないようにしましょう。
エナジードリンクに関する疑問や質問③:子供がエナジードリンクを飲んでも大丈夫?
子供がエナジードリンクを飲むことは法的に禁止されていませんが、成長過程にある体に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
大人よりもカフェインの影響を受けやすい子供の場合は、過剰摂取は一時的な健康被害だけでなく最悪の場合は死に至る危険性もあります。
エナジードリンクはジュース感覚で買えるため危険性を知らない子供も多く、リスクを含めた正しい知識を大人がしっかりと伝えることと、摂取量をコントロールすることを意識する必要があるでしょう。
「エナジードリンクを毎日飲むと危険」は嘘?飲み過ぎによる脳への影響や体に起こる症状・死亡例まとめ
今回は、エナジードリンクを毎日飲むと体に悪いのかについて、飲み過ぎによる体への影響や具体的な症状も含めて詳しく解説しました。
エナジードリンクは飲み過ぎるとカフェイン中毒になったり、砂糖や糖質を摂りすぎてしまう可能性もあるため注意が必要です。
眠気を覚ましたり集中力向上によって仕事の効率をアップさせるのに効果的なエナジードリンクですが、飲み過ぎによるリスクを正しく認識して、必要な時に適切な量を飲むようにしましょう。