コンビニの雑誌コーナーに陳列されている漫画・雑誌をパラパラと読んでみたことがある方も多いとは思いますが、「そもそもコンビニって立ち読みしてもいいの?」思った方もいるのではないでしょうか?
コンビニの中には立ち読み行為を禁止している店舗もあることから、立ち読みが許可されているのか迷惑行為で禁止されているのかが分からなくなりますよね。
今回の記事では、コンビニで立ち読みはできるのか、違法になるケースがあるのかについて詳しく解説していきます。
また、立ち読み禁止のコンビニが増えた背景なども紹介しますので、気になる方はぜひ最後までご覧ください。
目次
コンビニに売っている雑誌や本は立ち読みできる?迷惑行為でマナー違反?
コンビニに売っている雑誌の中身を立ち読みで確認したことがある方もいるかと思いますが、そもそも立ち読みが許されているのかが気になりますよね。
まずは立ち読みに関する現状に加えて、立ち読みは迷惑行為やマナー違反に該当するのか、違法性があるのかどうかを解説していきます。
【結論】コンビニでの立ち読みは黙認されているのが現状
結論から言うとコンビニでの立ち読みは違法ではなく、店員さんから黙認されているのが現状です。
実際、本を立ち読みしたことで刑事罰に問われるような法律はありませんので、立ち読み行為自体に違法性はないことから警察に捕まることもないでしょう。
しかし立ち読みが許されているのは黙認されている場合に限定され、明確に店内に立ち読み禁止と掲示されている場合はお店のルールに素直に従わなければなりません。
店員さんからの注意を無視して居座ったり腹を立てて大声で喚いたりすると、迷惑行為として警察に通報されることも考えられます。
立ち読みだけをすることは迷惑行為やマナー違反として取られることもある
コンビニとしては本を購入してもらいたいので、立ち読みだけするのは迷惑行為やマナー違反と取られることもあります。
陳列されている雑誌をスマートフォンで撮影するといった行動も、厳密には違法ではないのですがマナー違反として注意されてもおかしくない行為です。
立ち読みと同様に黙認されているだけであって、張り紙などで店内撮影禁止といった内容が書かれていれば、罪に問われる可能性があるでしょう。
マナー違反を注意された側も注意した側も気持ちの良いものではないので、節度を守って利用しなければなりません。
コンビニ側が立ち読みを禁止している場合は違法になる場合もある
立ち読みが黙認されるのは、立ち読み禁止の張り紙などがなく立ち読みできる状態で陳列されているという条件が揃っている場合のみに限られます。
陳列されている雑誌や本はコンビニの所有物となりますので、立ち読みはご遠慮くださいと書かれていれば、ルールに従わなければなりません。
たとえばビニールのヒモやテープで本が読めない状態になっていたら、それは立ち読みをしないでくださいというコンビニ側の明確な意思表示です。
立ち読み禁止の張り紙を無視したり、本に掛かっているビニールヒモやテープを外したりすれば、違法行為にあたる可能性も十分に考えられるでしょう。
コンビニの立ち読みが法律上から違法になる5つのケースを解説
立ち読み自体は黙認されていると解説しましたが、立ち読みの仕方によっては違法となるケースがあります。
ここからは、コンビニの立ち読みが法律上違法となる5つのケースを詳しく解説します。
- 雑誌の立ち読み禁止テープを剥がした
- 店員を殴ったり体を押したりした
- コンビニの嘘の悪口をネットで書いた
- コンビニで怒鳴ったり暴れたりした
- 長時間立ち読みをし続けた
コンビニ立ち読みが違法になるケース①:雑誌の立ち読み禁止テープを剥がした
コンビニによっては雑誌に立ち読みを防ぐためにテープが貼られていますが、このテープを剥がす行為は違法となります。
たとえばテープを剥がす際に雑誌の表紙が破けたり、一部が剥がれたりしてしまえば「器物損壊罪」に問われることとなるでしょう。
表紙を破らないようにすれば大丈夫という話ではなく、テープそのものを破いた行為も上記罪状に該当します。
器物損壊罪は「3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料」の刑罰となりますので、コンビニに陳列されている本のテープを無理に剥がすのはやめてくださいね。
コンビニ立ち読みが違法になるケース②:店員を殴ったり体を押したりした
立ち読みを店員さんに注意されたことに腹を立てて、殴ったり身体を押したりした場合は暴行罪や傷害罪に問われます。
暴行というとかなり激しい暴力をイメージしますが、殴る・体を押す・胸ぐらをつかむといった行為なども暴行罪の範疇となります。
上記の行動自体が罪に問われるので、店員さんがそれによってケガをしたかどうかは関係ありません。
暴行によって店員さんが転んで腰を打ったり血を流したなど、ケガをさせてしまった場合に問われるのは傷害罪にあたります。
コンビニ立ち読みが違法になるケース③:コンビニの嘘の悪口をネットで書いた
立ち読みを店員さんに注意されたことで腹が立ったという理由から、コンビニの嘘の悪口をネットに書いた場合は偽計業務妨害罪にあたります。
たとえば「◯◯店は賞味期限切れの商品を販売している」「店長が店員にパワハラしていた」など事実と異なる情報をSNSや掲示板に書くといったケースですね。
また、お店に無言電話をする、不衛生なイタズラをしている動画をネットに投稿するといった行為も偽計業務妨害罪の一例です。
偽計業務妨害罪に該当すると「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑」になりますので、いくら腹が立ったといってもお店の嘘の情報をネット上に書き込んではいけません。
コンビニ立ち読みが違法になるケース④:コンビニで怒鳴ったり暴れたりした
コンビニ店内で大声を上げたり、暴れたりした場合は威力業務妨害罪に問われる可能性があります。
立ち読みをした・しないに関わらず、コンビニのスタッフに大声でクレームをぶつけている場面を見かけることもありますが、その行為も程度によっては威力業務妨害罪にあたります。
その他にも理不尽なクレームを長時間訴え続ける迷惑電話や、インターネットで店舗の爆破予告をするといった行為も上記罪状に当てはまります。
威力業務妨害罪に該当した場合も「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑」となりますので、大声のクレームやコンビニ店内で暴れるなどの行為はやめましょう。
コンビニ立ち読みが違法になるケース⑤:長時間立ち読みをし続けた
長時間の立ち読みをした結果「出ていってください」と店員に注意されたにもかかわらず、その後も無視して読み続けた場合は不退去罪に該当します。
何度も店に来て同じ迷惑行為を繰り返すようであれば、店長やオーナーから出入り禁止を言い渡されることになるでしょう。
さらに出入り禁止と言われたにもかかわらず再度入店すると不法侵入罪に該当し、不退去罪と同じく「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」が科せられます。
コンビニの敷地内は私有地ですから、お客さんは基本的にコンビニ側の指示に従わなければいけないことを忘れてはいけません。
コンビニによっては邪魔な立ち読み・コロナ禍での立ち読みに対策を講じている
昔はほぼ全ての本や雑誌が立ち読みすることができましたが、いつからか立ち読みを禁止しているコンビニも増えてきましたよね。
ここからは、コンビニでの立ち読みが禁止されるようになった理由や、具体的な対策について解説します。
いつからかコンビニの雑誌には立ち読み防止テープが貼られるようになった
以前はほぼ全てのコンビニの雑誌は誰でも立ち読みできる状態になっていましたが、いつからか立ち読み防止のテープやビニールひもなどで対策がされています。
もともとはコンビニ店内にお客さんがいるというアピールや、人が居ることで強盗が来づらい状態にするといった防犯の目的もあったことから、立ち読みが黙認されていました。
しかしいつからか立ち読み客のマナーが悪くなり、邪魔な立ち読みや万引きの件数が増えたことから、立ち読みに対してのネガティブな側面が徐々に浮き彫りになっています。
その結果、立ち読み自体を禁止したほうが良いのではないかという声が多くなり、多くのコンビニで立ち読み防止の対策が取られるようになったのでしょう。
コロナ対策により立ち読みを注意された人も増えている
立ち読みをする人が増えると「密」になってしまうことから、コロナ対策として立ち読みを禁止しているコンビニもあります。
実際に、コンビニで雑誌を読んでいたら「新型コロナウイルス対策のため、立ち読みはご遠慮ください」と注意されたという人もいました。
万が一コンビニの中でクラスターが発生してしまった場合はそのコンビニは営業できなくなるので、お店にとっても死活問題となるので仕方のないことでしょう。
ですので、現在は昔よりも立ち読みの注意をされたというケースも増えたこともあり、コンビニの店内で気軽に本の中身を確かめることは難しくなっています。
コンビニの立ち読みを禁止したら売上が伸びた?立ち読み禁止の3つの影響を解説
コロナ禍などの影響により、以前よりも雑誌の立ち読みを禁止しているコンビニも増えてきました。
ここからは、立ち読みを禁止したことでコンビニにどのような影響があったのかについて解説していきます。
- 雑誌や本の売り上げが上がった
- 万引きの件数が減った
- 駐車場の回転率が上がった
コンビニ立ち読み禁止の影響①:雑誌や本の売り上げが上がった
コンビニの立ち読みを禁止した結果、雑誌や本の売り上げが上がったという事例があります。
当初コンビニは立ち読みを禁止することで客足が遠のき、売り上げが減少するのではないかと懸念していましたが、予想に反して本や雑誌の売り上げは伸び始めました。
そもそも購入が前提であれば中身をお店で確認する必要もないですし、本が欲しい人も誰も触っていない方が嬉しいでしょうから、立ち読みの禁止によって売り上げが上がることも納得できますね。
コンビニ立ち読み禁止の影響②:万引きの件数が減った
本や雑誌の立ち読みを禁止することによって、万引きの件数が減ったという良い影響があります。
もともと、立ち読みをする人がいることで強盗が少なくなるといった防犯上のメリットがあると考えられていましたが、実態はその逆だったようです。
立ち読みを禁止する前には長時間の立ち読みによってタイミングを伺うことで、店員の目を盗んで本や雑誌を万引きするケースが増加していました。
その後、立ち読みを禁止した結果万引きの件数が減っていたので、立ち読みの禁止は防犯の面でも正しかったと言えるでしょう。
コンビニ立ち読み禁止の影響③:駐車場の回転率が上がった
コンビニでの立ち読みを禁止することで、駐車場の回転率も上がりました。
立ち読みをする人の中には車で来ている人も多く、長時間立ち読みをされると駐車場も占領され続けることになりますよね。
広い駐車場のあるコンビニなら影響は少ないですが、2~3台のうちの1枠を長時間の立ち読み目的で埋められるとお店にとっても迷惑です。
コンビニの立ち読みを禁止することで長居する車も減り、最終的にはお店の売り上げの向上にも繋がっています。
【まとめ】コンビニで立ち読みはできる?立ち読みだけするのは違法で迷惑?
今回の記事では、コンビニで立ち読みできるのかどうか、違法性の有無について解説しました。
基本的にコンビニでの立ち読みは黙認されていますが、コンビニの指示に従わずに商品に傷つけたり店員さんとトラブルを起こすと違法行為となる可能性もあります。
近年ではコロナウイルス対策として、人が密集しないように立ち読みを禁止しているコンビニも増えていますよね。
今でも立ち読みできるコンビニはありますが、コンビニで立ち読みをする際はお店に迷惑をかけないよう節度を守って利用するようにしましょう!