友達・知人から親が亡くなったことを伝えられて、香典の金額や香典袋の書き方で悩んだり、かける言葉に詰まったことはありませんか。
結論から言うと、一般的に香典の目安は3,000円から5,000円程度で年齢等によって変わることがあります。また、相手にかける言葉は月並みな表現で簡潔に伝えると良いでしょう。
この記事では、遺族に失礼のないマナーについて、通夜・葬式に参列することが初めての方や経験の少ない方のためにわかりやすく解説していきます。
目次
友達(友人)や知人の親が亡くなった場合の香典の金額を解説
友達や知人の親の通夜・葬儀に参列するときに、一般的な相場が分からずに頭を悩ませることが多いのが「香典の金額」です。
香典の金額については、一般的な相場を確認しておかないと金額が多過ぎたり少な過ぎたりして、周囲から思わぬ顰蹙を買うことにもなりかねません。
ここでは、個人や連名の人数等によって変わる香典の相場について、それぞれの下限から上限までの金額を具体的に解説していきます。
友達や知人の親が亡くなった場合の香典の相場は3,000円~5,000円
友達や知人の親が亡くなり個人で香典を包む場合は、年齢等に応じて3,000円~5,000程度が一般的な相場になります。
しかし上記の金額はあくまで相場であり、友人・知人との関係性や相手の親にもお世話になった等の事情があれば、相場の上限を超えて香典を包むことも珍しくはありません。
また、既に自分の親が亡くなっていて友人・知人から香典を貰っていたのなら、お互いが気を遣わなくて良いように同額の香典にすることが多いようです。
夫婦連名で香典を包む場合も1人分の3,000円~5,000円程度が相場
友人や知人だけでなく亡くなった親にも夫婦揃って付き合いがあったケースなど、夫婦連名で香典を出す場合の金額相場も3,000円~5,000円程度になります。
夫婦連名のため香典の金額も2人分を入れると思いがちですが、一般的に香典は1世帯につき1つを準備するという考え方があるため、夫婦2人分の金額を香典に包む必要はありません。
ただし、通夜や葬儀後の会食に夫婦揃って出席する場合等は、2人分の会食費として5,000円~10,000円を上乗せした金額を香典に包むのが一般的です。
3人以上の連名で香典を包む場合の相場は3,000円~5,000円×人数
学校の友人や職場の同僚の不幸があり、代表者が取り纏めて香典を出す場合の相場は3,000円~5,000×人数となります。
通常は通夜・葬儀に参列するのは代表者1名のみで、他の友人や同僚は参列しないことがマナーとされています。
なお、職場の同僚の不幸の場合、社内規定等で香典の出し方が決まっていることがあるため、あらかじめ総務担当者に確認すれば、香典の相場に気を遣う必要もありません。
友達(友人)や知人の親が亡くなった場合の香典のマナーを解説
香典の相場だけでなく、香典袋に入れるお札に関するマナーが気になる人も多いのではないでしょうか。
「結婚式は新札を用意するけど香典は?縁起が悪い枚数はあるの?」等、おめでたい結婚式の場なら多少のことなら笑って許されることでも、通夜・葬式の場では細心の注意を払う必要があります。
ここでは、香典袋に入れるお札に関することを中心に、必ず知っておくべきマナーを分かりやすく解説していきます。
- 新札は使わない
- 偶数は避ける
- 忌み数は避ける
- 最小枚数のお札で包む
- 肖像画を下にして包む
- 後から追加で香典を持って行かない
友達の親が亡くなった場合の香典のマナー①:新札は使わない
友達の親が亡くなった場合の香典のマナーの1つ目は、新札は使わずに使用済みのお札を使用することです。
新札を使用してはいけない理由は、人が亡くなることをあらかじめ想定していたと思わせる恐れがあるためで、普段財布の中に入っているような使い古されたお札を用意する必要があります。
また、使用済みのお札といっても破損や汚れが目立つものはマナー違反とされるため、新札でなければ何でも良いという訳ではないので注意しましょう。
友達の親が亡くなった場合の香典のマナー②:偶数は避ける
友達の親が亡くなった場合の香典のマナーの2つ目は、偶数の枚数は避けて奇数の枚数でお札を包むことです。
偶数を避ける理由は、結婚式のお祝いと同様に数字が割り切れることから「縁が切れる」ことが連想されるため、縁起の良くない数字とされているからです。
しかし、最近では10,000円は少ないけれど30,000万円は多いと感じる時など、相場的に20,000円が妥当な金額として扱われる場合もあるため、必ずしも偶数がいけないということではありません。
友達の親が亡くなった場合の香典のマナー③:忌み数は避ける
友達の親が亡くなった場合の香典のマナー3つ目は、4や9の「忌み数」と言われる数字の枚数を香典に包むことを避けることです。
忌み数を避ける理由は、読み方から4は死を9は苦しむことを連想させ、一般的にも縁起の悪い数字として認識されているためです。
なお、連名で香典を出す際に1人当たりの金額を相場に合わせた場合等、合計金額が4万や9万の忌み数になる時は、10,000円札1枚を5,000円札2枚にすることで忌み数を避けられます。
友達の親が亡くなった場合の香典のマナー④:最小枚数のお札で包む
友達の親が亡くなった場合の香典のマナー4つ目は、お札の種類に応じて最小枚数で用意することです。
最小枚数のお札を包む理由は、枚数を少なくすることでお札が数えやすくなり、忙しい中で香典の確認作業をする遺族の負担が軽減できるためです。
香典が5,000円なら1,000円札を5枚包むのではなく、最小枚数となる5,000円札1枚を包むようにして、少しでも遺族の負担をなくすように配慮しましょう。
友達の親が亡くなった場合の香典のマナー⑤:肖像画を下にして包む
友達の親が亡くなった場合の香典のマナー5つ目は、お札に描かれている肖像画のある面を香典袋の表面に対して下にして包むことです。
肖像画を下にして包む理由は、亡くなった方に対する悲しみを伝える意味があるとされており、遺族に対してのお悔やみの気持ちを表現していると言われています。
また、お札を複数枚入れる時は全てのお札を同じ向きに揃えることもマナーの1つとされているため、併せて注意しましょう。
友達の親が亡くなった場合の香典のマナー⑥:後から追加で香典を持って行かない
友達の親が亡くなった場合の香典のマナー6つ目は、周囲と比較して金額が少なかった等の理由で、後から追加で香典を持って行かないことです。
後から追加で香典を持って行かない理由は、人生で最大とも言える不幸の際に、同じ行為を繰り返すことは「不幸が重なる」ことを連想させタブーとされているからです。
そのため、香典の相場を知ることや周囲とあらかじめ金額を合わせておく等、香典を包む前からマナーを守ることを意識しておきましょう。
友達(友人)や知人の親が亡くなった場合の香典の書き方を解説
香典の書き方についても「何を使って書けばよいのか?金額・名前・住所等を書く位置は?」等、初めて香典を出す人にとっては迷うことが多くあるのではないでしょうか。
香典袋に文字を書くときは薄墨の筆ペンやサインペンを使用するのが一般的で、書き方は香典を包む人数や中袋の有無によって違いがあります。
ここでは、香典の書き方の基本から複数名で香典を出す時の書き方まで分かりやすく解説していきます。
香典を書くときは「薄墨の筆ペン」または「サインペン」で記載する
香典を書くときの本来のマナーでは、薄墨を使用した毛筆を使用するとされていますが、実際は多くの人が「薄墨の筆ペン」または「サインペン」を使用しています。
普段から毛筆を使用する人は少なく、身近なコンビニでも手に入るサインペンを使用する方が綺麗に文字を書けるため、自然の流れと言えるかもしれません。
ただし、いくら書き慣れているといっても、ボールペンを使用することは見た目が良いとは言えず、香典を書くときには適さないため控えましょう。
香典の金額が5,000円以下の場合は水引が印刷されているタイプがおすすめ
香典袋にはいくつか種類がありますが、包む金額が5,000円以下の場合は水引が印刷されているタイプがおすすめです。
若い人の中には「水引」と聞いてもピンとこない人も多いかもしれませんが、水引とは香典袋の真ん中にあしらわれた飾り紐のことを指しています。
水引は香典の金額に見合ったものを使用するのがマナーとされているため、香典としては少額の5,000円以下の場合は豪華な飾り紐が付いたものではなく、印刷されたタイプを使用することが一般的です。
友達や知人の親が亡くなった場合の香典の書き方①:表書き(水引の上段)
香典袋(外袋)の水引の上段には、故人の宗教・宗派に合わせて「御霊前」「御仏前」等の表書きを記入します。
故人の宗教・宗派をあらかじめ確認しておくことが理想ですが、現実的には難しいことが多いため、仏式・神式・キリスト教等で共通して使用できる「御霊前」と表書きをするのが一般的です。
なお、コンビニ等で売られている香典袋には表書きが印刷されていたり短冊が付いていたりしますが、印刷されていることがマナー違反という訳ではないため安心してください。
宗教別の表書きや香典袋をご紹介
表書き | 香典袋 | |
---|---|---|
仏教 | ・御霊前 ・御香典 ・御香料 ・御悔 ・御仏前 |
・白無地に白黒の水引 ・蓮の花が描かれた封筒 |
神道 | ・御神前 ・御玉串料 ・御榊料 |
・白無地に双銀の水引 |
キリスト教 (カトリック) |
・御花料 ・御ミサ料 |
・白無地の封筒 ・ユリや十字架の描かれた封筒 ※水引なし |
キリスト教 (プロテスタント) |
・御花料 ・献花料 ・弔慰料 |
・白無地の封筒 ・ユリや十字架の描かれた封筒 ※水引なし |
宗教・宗派不明 | ・御香料 ・御香資 |
・白無地に白黒の水引 |
友達や知人の親が亡くなった場合の香典の書き方②:名前(水引の下段)
香典袋の水引の下段には名前をフルネームで書きますが、香典を包む人数によって記入方法が異なります。
具体的には「個人」「夫婦連名」「3人までの連名」「4人以上の連名」によって、名前の書き方が変わるため注意が必要です。
会社や友人の代表者として香典を出す場合などは、簡略化して自分だけの名前を書くのはマナー違反になるため、これからご紹介するそれぞれの名前の書き方をしっかり覚えてください。
個人で香典を包む場合の名前の書き方
個人で香典を包む場合は、水引の下段中央に書かれた表書きの真下に自分の名前をフルネームで書きます。
友達や知人が会社の同僚だった場合は、名前の右上に所属する会社名を記入しておくと遺族が故人との関係性を把握しやすくなるため、心遣いとして書いておきましょう。
なお、マナー違反ではなくても名前まで印刷されていた場合は心がこもっていないと感じる方も居るため、文字を書くことに自信はなくても自筆で書いた方が無難です。
夫婦連名で香典を包む場合の名前の書き方
夫婦連名で香典を包む場合は、水引の下段中央に書かれた表書きの真下に夫の名前をフルネームで書き、夫の名前の左側に名字を省略した妻の名前を書きます。
一般的に夫婦で香典を出す場合は、香典に夫の名前だけを書くことがマナーとされていますが、夫婦揃って遺族との関係性がある場合などは夫婦連名で香典を出します。
また夫の代理で妻が参列する時は、妻の名前は書かずに夫の名前の左下に小さく「内」と書いて、遺族に妻が代理で参列したことを伝えましょう。
3人までの連名で香典を包む場合の名前の書き方
3人までの連名で香典を包む場合は、水引の下段中央に書かれた表書きの真下から左側に向かって全員の名前をフルネームで書きます。
香典袋に記入する名前は3人までがマナーとされており、名前を書く際は年齢や地位が上の人から下の人といった順で記入し、上下関係がない場合は五十音順で記入するのが一般的です。
3人とも会社や団体等に所属している場合は、一番右側に所属名を添えることがあります。なお、2人の連名で香典を包む場合も書き方は3人の場合と同様です。
4人以上の連名で香典を包む場合の名前の書き方
4人の連名で香典を包む場合は、水引の下段中央に書かれた表書きの真下に代表者の名前をフルネームで書き、左下に「外一同」もしくは「外〇名」と記入します。
また、遺族に代表者以外の名前をお伝えするために、白無地の便箋を用意して全員の名前・住所・金額をまとめて記入して中袋に入れておくことで内訳が把握しやすくなります。
3名以下の連名の場合と異なり、全員の名前を書くのはマナー違反とされているため、香典を包む人数によっては書き方に十分注意しましょう。
友達や知人の親が亡くなった場合の香典の書き方③:金額(中袋の表)
香典袋には現金を入れる封筒タイプの中袋が入っている場合が多く、中袋の表には中央に旧漢字で「金◯圓也」と記入します。
旧漢字による金額の表記は、3,000円は「金参仟圓也」5,000円は「金伍仟圓也」10,000円は「金壱萬圓也」等と書きますが、金額の後の「也」については省略しても問題ありません。
しかし、旧漢字が分かりづらいと感じる方も多いため、現在は「金五千円」と常用漢字で書く方も増えてきているようです。
友達や知人の親が亡くなった場合の香典の書き方④:名前・住所(中袋の裏)
中袋の裏には左側に参列者の住所を、郵便番号・番地・建物名・部屋番号まで詳細に記入し、名前もフルネームで書きます。
葬儀後に遺族は中袋の情報をもとに香典返しやお礼状等を手配するため、遺族の手を煩わせることのないように分かりやすく記入しましょう。
なお、中袋は遺族の開封する手間を考えて一般的にのりやテープで封をしないとされているため、記入後には封をしないように注意が必要です。
友達や知人の親が亡くなった場合の香典の書き方⑤:金額・名前・住所(中袋がないとき)
中袋がない香典袋を使用する時は、表側に「御霊前」「御仏前」等の表書きを記入し、裏側は中袋と同様の書き方で住所・名前・金額を記入します。
香典袋だけ豪華で中身が少額なのは失礼にあたるため、香典の金額が5,000円以下の場合は中袋のない封筒タイプを選ぶことが一般的です。
なお、香典袋の外袋と中袋が二重になり「不幸が重なる」ことを連想させることから、中袋を使用しないことが正しいマナーとされる地域もあるため注意しましょう。
友達(友人)や知人の親が亡くなった場合の香典の包み方を解説
「香典の外袋を広げたら戻し方が分からなくなった」「袱紗(ふくさ)を使用すると聞いたけど袱紗って何?」など、基本的なマナーを知らずに戸惑うことはよくあることです。
香典の外袋は一定の手順で折り曲げながら中袋を包み、香典袋は袱紗で包んで持参するのがマナーとされています。
ここでは、通夜・葬儀の当日になってから混乱することも多い、香典の外袋の包み方及び袱紗の包み方を分かりやすく解説していきます。
友達や知人の親が亡くなった場合の香典の包み方①:香典の外袋の包み方
香典袋の包み方は、外袋を広げた中央に中袋を置き、折り目に添って①左→②右→③下→④上の順番で折り曲げます。
下から折り曲げた部分に被さるように上から折り曲げた部分を重ねることで、横から見た時に重なった所が俯いているように見えるため、悲しみを表す意味で下向きにするとされています。
結婚式等で使用する祝儀袋は「天を仰いで喜びを表す」等の意味で逆の上向きにすることから、間違えてはいけない香典のマナーの1つとして注意が必要です。
友達や知人の親が亡くなった場合の香典の包み方②:袱紗の包み方
袱紗とは香典袋や祝儀袋等を包む布のことで、香典袋が汚れたり形が崩れたりしないようにする目的から、袱紗に包んで通夜・葬儀に持参します。
また、香典袋を包む袱紗は「紫・藍・灰・茶色・緑・紺」等の寒色系を使用するのがマナーとされています。
袱紗を使用することには礼節を重んじ遺族への配慮を示す意味も込められているため、色にも留意しましょう。
なお、香典袋を袱紗で包む手順は以下の通りになります。袱紗がないときは、ハンカチや小風呂敷でも同じ手順で代用ができますので参考にしてください。
- 袱紗をひし形に広げる(爪付きは左側を爪にする)
- 袱紗の中央に表向きの香典袋を置く
- 右側、下側、上側、左側の順番で折り畳む
- 右側にはみ出た左側部分を裏側に回す(爪付きは裏側で爪を留める)
友達(友人)や知人の親が亡くなった場合の香典の渡し方を解説
香典の準備は整っていても、いざ通夜・葬儀の受付の前になって渡し方が分からなかったり、かける言葉が思い浮かばないということもあるでしょう。
頭が真っ白になって失礼な対応をすることがないように、通夜・葬儀の会場におけるマナーもあらかじめ身に付けておくことが大切です。
ここでは、通夜・葬儀会場で香典を渡すタイミングや渡し方の手順と併せて、かける言葉についても詳しく解説していきます。
香典を渡すタイミングは「通夜・葬儀会場の受付時」
香典を渡すタイミングは、通夜・葬儀の受付で名前・住所の記帳を済ませた後というのが基本的な流れになります。
通夜・葬儀の両方に参列する場合は通夜に持参することが一般的ですが、急な訃報を受けて準備が間に合わない時は葬儀の場で渡してもマナー違反にはなりません。
なお、通夜・葬儀の会場に受付がない場合は、正しく遺族の手に渡るためにも会場スタッフの身分を確認した上で、指示に従い香典を渡すようにしましょう。
香典を渡す際の詳しい手順やかける言葉を解説
香典を渡す際に最も気を付けなければいけないマナーは、受付で相手に一言添えてから両手で香典を渡すことです。
香典を渡す際には「このたびはご愁傷様です」等と簡潔にお悔やみの気持ちを伝え、速やかに受付を済ませるようにしましょう。
通夜・葬儀で香典を渡す際の具体的な手順は以下の通りになりますが、緊張で忘れてしまっても「相手に一言添えてから両手で香典を渡す」ことだけ厳守すれば問題ありません。
- 受付で記帳をする
- 袱紗を右手の手の平に乗せる
- 左手で袱紗から香典を取り出す
- 畳んだ袱紗を受付台等に置く
- 相手に表書きが読めるように反時計回りに香典の向きを変える
- 相手に一言添えてから両手で香典を渡す
友達(友人)や知人の親が亡くなった場合にかける言葉やマナーを解説
友達や知人から親が亡くなったことを伝えられた時や通夜・葬儀の場においては、失礼がないようにかける言葉にも最大限の配慮が必要です。
遺族に対して心遣いから余計な言葉をかけてしまったり、長話で負担をかけたりしないように、かける言葉は短い内容で済ませましょう。
ここではお悔やみを伝えるときに避けるべき言葉や、友達や知人の親が亡くなった場合に確認する事項をご紹介するとともに、実際に使用できる例文もお伝えします。
お悔やみを伝えるときに避けるべき言葉をご紹介
遺族にお悔やみを伝えるときには、失礼にあたらないように避けなければいけない言葉があります。
代表的なものは「忌み言葉」「遺族が負担に感じる言葉」「宗教・宗派に配慮していない言葉」等があり、お悔やみの言葉としては相応しくありません。
具体的には「続いて」「追って」等の縁起の悪い言葉や「頑張って」等の励ましの言葉のほか「浮かばれない」等の宗教上の理由から避けるべき言葉がタブーに当たります。
そのため、遺族にお悔やみを伝える場合は言葉はなるべく少なくして、月並みな表現をするのが良いとされています。
友達や知人の親が亡くなった場合の確認事項をご紹介
友達や知人の親が亡くなったことを知らされた後は、通夜・葬儀に関することを始めとして、いくつかの確認するべきことがあります。
最近では、故人と生前にご縁のあった友人・知人や仕事関係者等も含めて幅広い人を集めて行う「一般葬」ではなく、家族・親族等の身近な人だけ行う「家族葬」も多くなっています。
そのため「家族葬」の場合は訃報を知らされる人も限られているため、以下の確認事項に留意しましょう。
- 通夜・葬儀は行うのか
- 一般葬・家族葬のどちらか
- 通夜・葬儀の日程・場所・喪主等
- 通夜・葬儀について関係者に伝えても良いか
口頭でお悔みを伝える場合の例文をご紹介
一般葬で通夜・葬儀で遺族に対面する場合は、遺族の負担にならないようになるべく簡潔に口頭でお悔やみを伝えましょう。
お悔やみの言葉は「ご愁傷様です」「お悔やみ申し上げます」の2つが基本となりますが、遺族の悲しみが大きくかける言葉が見つからない状況だった場合は、対面を遠慮しても失礼にあたることはありません。
以下の文章は、遺族に口頭でお悔やみを伝える場合の基本的な例文になりますので、参考にしてください。
- 「このたびはご愁傷様です。謹んでお悔やみ申し上げます」
- 「ご愁傷様です。何か手伝えることがあれば言ってください」
メールやLINEなどでお悔みを伝える場合の例文をご紹介
最近では家族葬が増えた影響もあり、遺族の負担も考えてメールやLINEでお悔やみを伝えることも増えています。
ただし文章で伝える場合には「ご愁傷様です」等、口頭のみで使用できる言葉もあるため注意が必要ですが「お悔やみ申し上げます」は文章でも使用可能となっています。
以下の文章は、遺族にメールやLINEでお悔やみを伝える場合の基本的な例文になりますので、参考にしてください。
- このたびはお父様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。心身ともに疲れが出ないようにくれぐれもご自愛ください。
- 突然の訃報に大変驚いています。私にできることがあればいつでも連絡ください。お母様のご冥福をお祈りいたします。
友達(友人)や知人の親が亡くなったことを後で知った場合の対応を解説
友達や知人の親が亡くなったことを後で知った時は、通夜・葬儀に参列した場合とは異なる対応になるため注意が必要です。
特に亡くなってから月日が経過しているような場合は、お悔やみを伝える方法や香典に代わる贈り物等はどうするべきか迷われる方も多いでしょう。
ここでは、友達や知人の親の訃報を後で知った場合の対応について、お悔やみの伝え方と贈り物の渡し方を解説していきます。
- 電話でお悔みを伝える
- 四十九日を過ぎてからお菓子や贈り物を渡す
友人や知人の親の訃報を後で知った場合の対応①:電話でお悔みを伝える
友人や知人の親の訃報を後で知った場合は、取り急ぎ電話でお悔やみを伝えるのが一般的です。
友人や知人の関係性によってどうしても直接弔問に伺いたい場合でも、まずは電話でお悔やみを伝えてから弔問したいという希望を伝えましょう。
また、学生時代の複数の友人同士で年に1回は会うような関係性ならば、友人と調整して直接会う時にお悔やみを伝える方が相手にも気を遣わせずに済むかもしれません。
友人や知人の親の訃報を後で知った場合の対応②:四十九日を過ぎてからお菓子や贈り物を渡す
友人や知人の親の訃報を後で知った場合に、どのタイミングで贈り物するかを迷っているなら、四十九日を過ぎてからお菓子等を渡しましょう。
忌中は遺族が忙しく気持ちの整理がついていないことも多いため、忌明けの四十九日が過ぎて落ち着いた頃に対応するなど、少しでも遺族の負担を減らすことが大切です。
なお、贈り物は相手に余計な気を遣わせてしまう恐れがあるため、あまり高額な商品を送ったり渡したりすることは控えた方が良いとされています。
友達(友人)や知人の親が亡くなった場合によくある疑問3つを解説
今回ご紹介してきた香典の金額や書き方、通夜・葬儀等で遺族にかける言葉の他にも、通夜や葬儀に関するマナーや対応方法には様々な疑問が生じることがあります。
一般的なマナーや対応方法については理解していたつもりでも、例外的なケースに直面して判断に迷うことは珍しいことではありません。
ここでは、あまり知られていない友達や知人の親が亡くなった場合によくある3つの疑問を解説していきます。
- 香典の袋などはコンビニで買える?
- 遠方に住んでいる場合は香典を郵送してもいい?
- 香典を辞退された場合はどうしたらいい?
友達や知人の親が亡くなった場合の疑問①:香典の袋などはコンビニで買える?
友達や知人の親が亡くなった場合の疑問1つ目として「香典の袋などはコンビニで買える?」にお答えしていきます。
突然の訃報を受けた場合など香典の用意ができていない時でも、香典袋等の必要なものはコンビニでも買うことができます。
サインペンや袱紗代わりのハンカチ等、大抵のものはコンビニで揃えることができ、またコンビニで購入した香典袋を使用しても失礼にあたることはありません。
友達や知人の親が亡くなった場合の疑問②:遠方に住んでいる場合は香典を郵送してもいい?
友達や知人の親が亡くなった場合の疑問2つ目として「遠方に住んでいる場合は香典を郵送してもいい?」にお答えしていきます。
親が亡くなった友達や友人が遠方に住んでいる場合は、香典袋を現金書留の封筒に入れて郵送することも可能です。
郵送する場合は「不幸が重なる」と連想されるのを避けるため、白無地の一重封筒と1枚の便箋を用意して、香典袋と一緒に友達や知人に宛てた手紙を添えるのがマナーとされています。
友達や知人の親が亡くなった場合の疑問③:香典を辞退された場合はどうしたらいい?
友達や知人の親が亡くなった場合の疑問3つ目として「香典を辞退された場合はどうしたらいい?」にお答えしていきます。
相手に香典を辞退された場合は「弔電」「供花」「供物」等、香典以外の方法で弔意を示すことが一般的です。また、送り先に誤りが無いように日時や住所等の確認には細心の注意が必要です。
ただし、遺族が香典以外で弔意を示すことも辞退されることケースもあるので、必ず事前に遺族に了承を得てから対応するようにしましょう。
友達や知人の親が亡くなった場合の香典の金額や書き方、かける言葉などのマナーまとめ
本記事では、友達や知人の親が亡くなった場合の香典の金額や書き方に加えて、かける言葉などのマナーについても解説してきました。
通夜・葬儀における対応は地域によって風習やしきたりに違いがあり、必ずしも決まったものではありません。ただし共通して言えることは、遺族への心遣いを大切にしていることです。
香典に包んだ金額に香典袋に書いた文字、そして遺族にかける言葉から相手に対するお悔やみの気持ちが伝わるように、日頃から最低限のマナーを学んでおきましょう。